小田急8000形「西武鉄道に導入」2024年度は1編成、国分寺線へ



西武鉄道は中古の鉄道車両を譲り受けて導入する「サステナ車両」の計画について、第1弾として本年度2024年度は小田急電鉄から8000形電車を1編成譲り受けて導入する。同社が5月9日に発表した2024年度の鉄道事業設備投資計画に盛り込んだ。

小田急電鉄の8000形。【画像:西武鉄道】

設備投資計画によると、2024年度は小田急電鉄から8000形電車の6両編成1本を譲り受け、整備、改修したうえで運行開始を目指すという。西武鉄道の広報部によると、2024年度に導入する8000形は国分寺線で運用。譲り受ける8000形の現在の車両番号や譲受後の形式名・車両番号、内外装の変更などについては「お知らせできる段階にない」としている。

西武鉄道はサステナ車両の導入に並行して40000系の新造導入も引き続き進める。2024年度は24両(8両編成3本)を導入する計画。40000系はこれまで10両編成だけだったが、8両編成の導入はこれが初めてになる。

サステナ車両は他社から譲り受けたVVVFインバーター制御車両のことで、西武鉄道独自の定義による造語。2022年時点では無塗装車体もサステナ車両の定義に含めていたが、現在は定義から外している。昨年2023年9月、東急電鉄9000系と小田急電鉄8000形をサステナ車両として譲り受けることを発表した。西武鉄道はサステナ車両の導入により電力消費量が多い従来車両を更新し、2030年度までにVVVF化100%達成を目指す。

導入路線は9000系が多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線で8000形は国分寺線。2025年度以降は8000形のほか9000系も順次導入し、2029年度にまでに9000系を約60両、8000形を約40両、合計約100両を導入する計画だ。

8000形が導入される国分寺線は、JR中央線の国分寺駅と西武新宿線などが乗り入れる東村山駅を結ぶ7.8kmの路線。現在は2000系電車の6両編成か、2両編成と4両編成をつないだ6両編成が運行されている。

西武鉄道の2000系(写真は国分寺線では通常運行されていない8両編成タイプ)。【撮影:草町義和】

2000系は1977年から1992年にかけ400両以上が製造されたが老朽化のため数を減らしており、1977~1988年に製造された旧2000系は2両編成2本を除き引退済み。1988年以降に製造された新2000系もここ数年で廃車が本格的に進んでいる。

※一部加筆と写真の差し替えを行いました。(2024年5月13日14時02分)

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