東海道新幹線・浜松工場の一般公開「自由参加型は終了」今後はツアー型のみ



JR東海は9月4日、東海道新幹線の浜松工場で開催していた一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」について、自由参加型での開催を終了すると発表した。今年2023年はツアー型の公開イベント「JR東海 浜松工場へGO」のみ10月に開催される。

浜松工場の一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」(2017年7月)。【撮影:草町義和】

ツアーは日帰りで10月21・22日の計2日開催。新幹線電気軌道総合試験車の923形電車「ドクターイエロー」の車内見学や記念撮影、新幹線車両の下部見学、保守用車の見学などが行われる。滞在時間は2時間~2時間30分。

また、先頭車同士を連結した2両編成(約50m)の「日本一短い?新幹線」も見られるという。JR東海は「今回のツアー専用に組み立てた新幹線」としており、自走できない編成。車内見学はできない。東海道新幹線の営業列車は16両編成(約400m)。ほかの新幹線の営業列車は最短でも6両編成で、過去には4両編成の列車が運行されていたこともあるが、2両編成の営業列車はこれまで運行されたことがない。

新幹線利用プランと在来線利用プラン、貸切バス利用プランがあり、出発地は新幹線プランが東京・品川・新横浜・新大阪・京都・名古屋の各駅、在来線プランが静岡県内のおもな駅、貸切バスプランが浜松駅。新幹線プランは団体列車に乗って浜松工場に直接入場する。在来線プランは団体列車に浜松駅で下車して貸切バスで工場に移動。貸切バスプランは浜松駅~工場の貸切バスのみの利用となる。

旅行代金は新幹線プランが東京発で2万6500円~3万3500円。在来線プランは沼津発が1万5900円。浜松駅発の貸切バスプランは1万2000円だ。申込みはJR東海ツアーズが受け付けている。

「ドクターイエロー」の車内も見学できる。【撮影:草町義和】

浜松工場は全般検査など大規模な法定検査に対応した車両工場。もともとは在来線の車両工場だったが東海道新幹線の建設にあわせて新幹線車両の整備にも対応。2011年には在来線車両の法定検査を終了した。

1994年には東海道新幹線の開業30周年を記念して一般公開イベントを実施。翌1995年にも「新幹線なるほど体験デー」と題した一般公開が行われ、1996年からは「新幹線なるほど発見デー」として毎年夏(2019年は10月)に一般公開が行われるようになった。自由参加型だが貸切列車で浜松工場に直接乗り入れるツアーも行われるようになった。

2020年以降はコロナ禍の影響で自由参加型の一般公開が中止に。ツアー型の公開のみ実施されていた。JR東海は「今後は人数限定でゆっくりご見学いただける専用のツアーを主体に開催してまいります」としている。

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