名古屋港線「廃止」JR貨物が届出 近年はレール輸送列車のみ



JR貨物は9月19日、東海道本線貨物支線・山王信号場~名古屋港(名古屋港線)6.2kmの第1種鉄道事業の廃止を国土交通大臣に届け出た。廃止予定日は来年2024年4月1日。

レール輸送用として開発されたJR東海のキヤ97系。名古屋港線内ではJR貨物の機関車に牽引されて走る。【画像:YKT2000/写真AC】

1907年に開港場の指定を受けた名古屋港の貨物輸送のため建設され、1911年に開業。1987年4月の国鉄分割民営化に伴いJR貨物が引き継いだ。

貨物列車のほか旅客列車も期間限定で何度か運行されている。分割民営化後の1987年から1994年までは途中にナゴヤ球場正門前駅が臨時の旅客駅として設置され、JR東海がJR貨物から線路を借りて観客輸送の旅客列車を運行していた。

名古屋港線の位置。【画像:JR貨物】

年間輸送量は5000~7000トンで推移していたが、2021年度は4000トン、2022年度は3000トン。近年はレール輸送列車のみ運行されていた。JR貨物は名古屋港線の廃止について「今般、名古屋港駅での取り扱いがなくなる見通しとなったため」としている。

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