東武鉄道は4月16日、東武アーバンパークライン(野田線)に導入する新型車両の形式を「80000系」とし、来年2025年から導入すると発表した。同線の現在の列車より1両少ない5両編成になる。

80000系電車は「子育て世代に優しい車両」とコンセプトとし、子供やその家族が車内で快適に過ごせるという座席「たのしーと」を車両の端部に設ける。防犯カメラも設置する。
走行装置は同期リラクタンスモータを採用した車両推進システム「SynTRACS」と、リチウムイオン2次電池「SCiB」・SIV装置を組み合わせた車上バッテリーシステムを搭載。消費電力を8000系電車に比べ4割以上削減し、騒音も抑える。



野田線で現在運用されている車両は8000系電車と10000系(10030形)電車、60000系電車の3形式で、いずれも6両編成。このうち最も新しい60000系は5両編成に改造し、引き続き使用する。
80000系は2025年春以降、順次導入の計画。導入数は125両(5両編成25本)の予定で、このうち7本は5両全車を新造する。18本は4両を新造し、残る1両は60000系の5両編成化により捻出される1両を流用する。

東武鉄道は2022年4月、野田線の現在の利用状況を踏まえて5両編成化すると発表していた。同線の最大混雑率(新船橋→船橋)はコロナ禍が本格化する前の2019年度が139%(7~8時)だったのに対し、コロナ禍の2020年度は101%(7時20分~8時20分)と大幅に改善された、ただし2022年度は112%(7時20分~8時20分)に上昇している。
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