国鉄「青い旧型客車」復活 高崎のスハフ42形を塗り替え、イベント展示も



JR東日本の高崎支社は9月26日、同支社に所属する旧型客車のうち「スハフ42形2234号車」のカラーリングを茶色(ぶどう色2号)から青色(青15号)に変更すると発表した。鉄道開業150周年にあわせた企画。10月から運用される。

スハフ42 2234の塗装変更工程。【画像:JR東日本】

塗装変更は8月から9月にかけ実施。10月から蒸気機関車・電気機関車・ディーゼル機関車の牽引による運行を予定している。また、10月15・16日に開催されるイベント「鉄道開業 150 年記念高崎てつどうわくわくフェスタ!」で展示される。

スハフ42形は国鉄時代の1951~1955年、急行列車向けの客車として製造された客車群(いわゆる「スハ43系」)のうち3等車(のちの2等車、現在の普通車)でブレーキ装置付きの緩急車。スハフ42 2234は1954年に日本車両が製造した。当初の車両番号は「スハ42 234」で車体塗装はいまと同じぶどう色2号。1962年、電気暖房化に伴い車両番号を「スハフ42 2234」に変更している。

国鉄客車の塗装は茶色が標準だったが、1958年に登場した寝台特急「あさかぜ」用の新型客車20系などが青を採用。1960年代には旧型客車も近代化改造にあわせ、従来の茶色から青への塗り替えが順次進められた。このため機関車が牽引する普通列車や急行列車では、茶色と青の旧型客車を連結した「混色編成」が日常的に見られるようになった。

国鉄時代の旧型客車。車体塗装は茶色が標準だったがのちに青に塗り替えられ、写真のような「混色編成」も日常的に見られた。【撮影:草町義和】

スハフ42 2234は1972年の内外装リニューアルにあわせて車体塗装を青15号に変更している。しかし1994年、高崎運転所への配置にあわせ、車体塗装を再びぶどう色2号に戻した。現在はSL列車やイベント列車などで使われている。

高崎支社は「1960年代以降に全国の路線で普通列車をはじめ幅広く活躍していた青色へ変更します。当時を懐かしむ方をはじめ、初めてご覧になる方にも楽しんでいただける機会を設けていきたいと思いますので、ぜひ高崎へお越しください」とアピールしている。

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