東武鉄道「SL大樹」客車が茶色に 当面は「茶青混色」、「C11 123」はボイラ修繕完了



茶色に塗り替えられた14系のスハフ14 5。【画像:東武鉄道】

東武鉄道は5月26日、SL列車「SL大樹」やDL列車「DL大樹」で運用している14系客車を、現在の青(白帯あり)の塗装から茶色(帯なし)の塗装に変更すると発表した。

東武鉄道が運用している14系客車のうち1両(スハフ14 5)が、かつて国鉄が「ぶどう色2号」と定めた茶色系統の色に塗り替えられた。6月19日から運用に入る。今後も2両が追加で茶色に塗り替えられ、1編成全車両を茶色とした列車も運転する計画だが、当面は茶色と青の「混色編成」で運転される。

14系は1971年から製造された国鉄の寝台・座席客車。東武鉄道は「SL大樹」用としてJRから14系の座席車を譲り受け、2017年から運用している。

かつての国鉄旧型客車は茶色だったが、1958年から上野~青森間で運転を開始した特急「はつかり」(当時は機関車けん引)は青・白帯に塗り替えた客車を使用。東京~博多間で運転されていた寝台特急「あさかぜ」も同年、青・白帯で塗装された新型客車の20系に置き換えられた。20系以降に製造された特急客車の14系や24系も青・白帯の塗装で製造されている。

青色の14系で運転されている「SL大樹」。【画像:東武鉄道】

それ以外の既存の国鉄旧型客車は1964年以降、リニューアルにあわせて茶色から青に塗り替えられた。ただし一部は茶色のまま残った客車もあり、客車編成の急行列車や普通列車では茶色と青の「混色編成」も見られた。東武鉄道は結果的に国鉄客車の「混色編成」を再現することになる。

かつて国鉄線で見られた旧型客車の「混色編成」。【撮影:草町義和】

このほか、「SL大樹」用の蒸気機関車としては3両目となる「C11 123」(もと江若鉄道の「C11 1」)は、ボイラーの修繕が完了。5月26日に南栗橋SL検修庫に搬入された。東武鉄道は今年2021年冬の復元を目指し、復元作業を引き続き進めるとしている。

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