大井川鉄道「北陸の長距離鈍行」を運転 国鉄旧型客車で11時間29分、米原→長岡を再現



大井川鉄道は4月17日、国鉄の北陸本線~信越本線・米原→長岡間(滋賀県・福井県・石川県・富山県・新潟県)で運転されていた普通列車(鈍行)「第523列車」をイメージした「長距離鈍行列車」を運転する。

大井川鉄道が運転する「長距離鈍行列車」のイメージ。【画像:大井川鉄道】

第523列車は米原→長岡間の走行距離が約430km、所要時間が12時間50分(1980年10月ダイヤ改正時点)という長距離・長時間の鈍行列車。電気機関車が旧型客車をけん引していた。1982年11月のダイヤ改正で廃止されている。

大井川鉄道は大井川本線の新金谷~千頭間を3往復して距離と時間を稼ぎ、第523列車をイメージした列車を走らせる。総乗車距離は223.2km、乗車時間は11時間29分。ダイヤは次の通り。

1往復目:新金谷(米原駅をイメージ、以下同じ)9時15分→千頭(福井)10時46分・11時13分→新金谷(金沢)12時36分

2往復目:新金谷(金沢)12時57分→千頭(富山)15時17分・15時36分→新金谷(糸魚川)17時00分

3往復目:新金谷(糸魚川)17時18分→千頭(柏崎)18時52分・19時25分→新金谷(長岡)20時44分

車両は第523列車にあわせ、国鉄の旧型客車3両編成(オハフ33 215+オハ35 559+オハフ33 469)を使用。E10形電気機関車のE101を使用する。3往復乗り続けるのも、途中の駅で乗車、下車するのも自由だが、ツアー参加者のみ乗ることができる。

旅行代金は大人1万2500円・子供7000円。フリー切符や東海軒の駅弁・サンドイッチが付く。募集人数は60人(最少催行35人)。ボックス席一つを一人で利用できる。申し込みは3月26日9時から3月28日23時59分まで、大井川鉄道のウェブサイトで受け付ける。

北陸本線で運転されていた1980年代初頭の普通列車。【撮影:草町義和】
1980年代初頭の北陸本線の普通列車は電気機関車けん引の客車列車が多かった。【撮影:草町義和】

大井川鉄道は2016年4月、長距離鈍行列車ツアーを実施。同年10月の第2回以降は、かつて国鉄で運転されていた長距離鈍行の具体的なイメージで運転するようになり、これまでに予讃本線・多度津→八幡浜間と日豊本線・大分→都城間、常磐線~東北本線・原ノ町→青森間をイメージした長距離鈍行ツアーを行っている。2020年は米原→長岡間をイメージした長距離鈍行ツアーを行う計画だったが、新型コロナウイルスの影響で中止された。