汎用人型作業機械「零式」京都鉄道博物館で展示 動作デモや開発者の講演会も



京都鉄道博物館は9月10日から10月2日まで、多機能鉄道重機「零式人機(Ver.2.0)」の特別展示を行う。一部の日は「零式」の実際の動作を見ることができるデモンストレーションや開発者の講演会も行われる。

人機一体などが開発を進めている多機能鉄道重機「零式」。【画像:JR西日本】

本館1階「車両のしくみ/車両工場」エリアで「零式」を展示。デモンストレーションは9月19・23~25日と10月1・2日に行われる。時間は11時・13時・14時30分・15時30分の4回で1回の所要時間は約15分。

講演会は9月24日の14時から3階ホールで開催される。定員約40人。講師はロボット工学企業「人機一体」(滋賀県草津市)の金岡博士社長と、JR西日本の鉄道本部電気部電気技術室の木村秀夫室長。開発の経緯のほか「鉄道用重機は人型ロボットであるべきか?」をテーマに講演する。

「零式」は人機一体とJR西日本、日本信号が共同で開発を進めている人型作業機械の試作機。クレーン車のクレーンの先に人の腕と手に相当する作業機械と、人間の目に相当するカメラを設置している。二足歩行は行わず、クレーンの操縦室から作業機械を操作する。JR西日本は4月から試験を実施しており、2024年春の実用化と営業線での導入を目指している。

操縦システムは操縦者の操作と作業機械の動きが連動し、作業機械が受ける重みや反動を操縦者に伝える。これにより操作技術の習得が容易になるという。また、作業機械はさまざまな形状の部材を持つことができ、汎用性が高い。高所作業でも地上に近い操縦室から行えるため、作業の安全性が向上するという。

JR西日本は高所に設置された多様な設備に対応する多機能鉄道重機を導入することで、これまで人の手を使っていた作業を機械化し、生産性と安全性の向上を目指す。同社は多機能鉄道重機の導入で作業員を約3割削減できると見込んでおり、感電や墜落といった労働災害の解消も目指す。

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