JR東日本の大宮支社は8月24日、烏山線(栃木県)の運営体制を変更すると発表した。保守工事は現在おもに深夜帯に実施しているが、今後は人手不足などを受け、一部列車の運休を伴う昼間帯の保守工事を定期的に実施。大雨による運転見合わせ時の運転計画も利用実態を踏まえて見直す。
昼間帯の保守工事は8月24日時点で11月1・2・7・8・13・14・16・17日の計8日実施することが計画されている。これにより下り烏山行きは宇都宮発10時33分・12時34分・14時34分の3本が運休。上り宇都宮行きは烏山発9時39分・11時39分・13時39分の3本が運休になる。
大雨時の運転計画の見直しは9月19日以降に実施。18時時点で大雨の影響により運転を見合わせている場合、その日の終列車まで烏山線全線の運転を取りやめる。バスによる代行輸送はバスの手配ができ次第実施するが、20時以降の代行輸送は行わない。
大宮支社によると、烏山線の利用者はJR東日本の発足時から約6割減少。また、少子高齢化や今後の労働力不足など社会環境の変化を踏まえて同線の運営方法について検討を進めており、その一環として保守工事の昼間実施や大雨時の運転計画の見直しを行うことにしたという。
烏山線は東北本線(宇都宮線)の宝積寺駅で分岐して烏山駅を結ぶ11.7kmのローカル線。一部の列車を除き宇都宮線の宇都宮駅まで乗り入れている。非電化路線だが車両は2014年から2017年にかけ蓄電地電車に更新された。
輸送密度は国鉄時代の1977~1979年度が3591人。国鉄再建法(1980年公布)に基づく存廃基準だった4000人を下回っていたが、ピーク1時間あたりの輸送人員が最大で1000人を超えていてバス転換が難しいとされたことから、廃止対象から除外された。
その後も利用者は減少し続けており、JR東日本が発足した1987年度の輸送密度は2559人に。コロナ禍が本格化する前の2019年度は1430人で、2022年度は1120人だった。
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