国鉄「省エネ電車」201系、ラストランまで残り4年に JR西日本の225系増備で



JR西日本は2月18日、225系電車を増備して東海道・山陽本線(JR京都線・JR神戸線)などに導入すると発表した。これにより国鉄時代に製造された201系電車が、実質すべて引退する。

最長で残り4年の運用になったJR西日本の201系。【撮影:草町義和】

225系は2010年にデビューしたJR西日本の普通列車用の電車。JR京都線やJR神戸線、湖西線などで運用されている0・100番台や、阪和線用の5000・5100番台、福知山線(JR宝塚線)用の6000番台などがあり、改良を重ねながら増備されてきた。

今回発表されたJR京都線・JR神戸線向けの増備車は、2020年度から2023年度にかけて144両が製造される計画。車体の衝突安全対策を講じるほか車両挙動の監視装置を搭載。自動列車停止装置(ATS)や集電装置(パンタグラフ)などの機器を二重化して安全性と安定性の向上を図る。また、各車両に車椅子・ベビーカースペースを設け、車内案内装置は多言語化に対応する。

このほか、JR京都線・JR神戸線で現在運用されている223系電車の330両も、車内設備をリニューアルすることが発表された。ドアの上に多言語対応の案内装置を設置し、運行案内や広告などを表示する。設置時期は2020年3月中旬から2021年度まで。

増備されるJR京都線・JR神戸線の225系。【撮影:草町義和】
JRの発足初期にデビューした221系。【撮影:草町義和】

225系の増備に伴い、JR京都線・JR神戸線の快速で運用している旧型車両の221系電車は順次、関西本線(大和路線)とおおさか東線に転属。両線で現在使われている201系電車は、221系に置き換えられる形で引退する。201系のラストランは最長で4年後になる見込みだ。

■「黒い顔」で国鉄電車のイメージを一新

201系は国鉄時代の1979年にデビューした通勤型電車。登場当時は「省エネ電車」と呼ばれ、モーターの制御装置に電機子チョッパ制御方式を採用し、従来の車両より電力消費量を削減した。

大和路線とおおさか東線で運用されている201系。【撮影:草町義和】

また、在来線高速化のため1970年に試作された591系電車のデザインを参考に、先頭部の窓は左右非対称で配置。窓回りは防錆皮膜処理を行った黒い鋼製パネルを使用し、従来の国鉄電車のデザインを一新した。

1987年の国鉄分割民営化でJR東日本とJR西日本が201系を引き継いだが、近年は老朽化に伴う新型車両への置き換えで大幅に減った。JR東日本の201系は先頭車1両(クハ201-1)が諸般の事情から保留車扱いで残っているが、それ以外は2011年までにすべて引退。JR西日本の201系も昨年2019年6月に大阪環状線と桜島線(JRゆめ咲線)から引退した。

JR東日本の中央線快速で運用されていた201系。【撮影:草町義和】