大阪府・高石市・南海電鉄は2月15日、南海高師浜線の運行を4月6日の始発から再開すると発表した。同線の全区間が高架線に切り替えられる。再開に先立つ3月30日には完成した高架橋を歩くイベントなどが行われる。
運行を再開するのは高師浜線・羽衣~高師浜の1.5km。伽羅橋~高師浜の線路は従来通り高架線だが、羽衣~伽羅橋は従来の地上線から高架線に変わる。羽衣駅は3番線ホームから高師浜線の列車が発車。途中の伽羅橋駅はトイレをリニューアルし、多機能トイレを新設する。終点の高師浜駅はホームは従来通りだがトイレをリニューアルし、多機能トイレとエレベーターを新設する。
高師浜線のダイヤは朝夕が約15分間隔で、日中は約20分間隔。南海本線のダイヤ変更は行わない。車両は運休前と同じ2200系電車を使用する。代行バスは4月5日限りで運行を終了する。
3月30日の高架橋を歩くイベントは伽羅橋駅から羽衣駅まで約1kmを歩く。午前・午後の2部制。高石市が主催する午前の部は9時30分~11時と10時~11時30分に行われ、南海電鉄取材の午後の部は13時30分~15時と14時~15時30分に行われる。
午前・午後ともに事前申込制。午前の部は高石市民限定の抽選方式で合計60組120人を募集する。申し込みは2月16日9時から3月15日17時30分まで高石市電子申請システムなどで受け付ける。午後の部も合計60組120人を募集。2月28日10時から3月15日17時まで南海電鉄ウェブサイト「ぶらりたび」で受け付ける。こちらは先着順のため募集人員に達した時点で募集を終了する。
3月30日はこのほか、10時から事業関係者による式典を開催。10時から16時まで羽衣駅西側工事ヤード内特設会場で高架化完成記念イベントが開催される。記念イベントではキッチンカーなどによる飲食店などの出店があるほか、写真展示や南海バスの展示などが行われる。入場無料。
高師浜線は1970年に伽羅橋~高師浜が高架化。残る羽衣~伽羅橋の高架化は南海本線の連続立体交差事業(連立事業)と一体的に計画され、1997年に事業着手した。南海本線の高架化が完了した2021年から高師浜線を全面的に運休し、これまで高架化工事が進められていた。
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