「ウエストエクスプレス銀河」「台湾EMU3000」グッドデザイン・ベスト100に



公益財団法人日本デザイン振興会は10月20日、2021年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表した。審査対象数は前年より1066件多い5835件で過去最高。受賞件数も213件多い1608件で過去最高となった。

「ウエストエクスプレス銀河」とその車内。【撮影・加工:鉄道プレスネット編集部】

鉄道関係では、長距離列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」(JR西日本)が「グッドフォーカス賞(地域社会デザイン)」「グッドデザイン・ベスト100」に選定。「交通部台湾鉄路管理局 都市間特急車両 EMU3000」(日立製作所・台湾日立アジアパシフィック)は「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれた。

「ウエストエクスプレス銀河」は2020年9月にデビューした長距離列車。関西の新快速列車などで運用された国鉄117系電車を改造し、車内に寝台風の座席などを設けた。えちごトキめき鉄道の観光列車「雪月花」などのデザインで知られる川西康之さん(イチバンセン)が監修、デザインした。

審査委員は「40年前の快速列車をリノベ―トして、決して豪華絢爛ではないが、快適な様々なクラスの居室をそろえるとともに、長時間旅行を飽きさせないために、列車内の回遊性を高める工夫もしている」などと評価した。

船に積み込まれ台湾に運ばれるEMU3000形。【画像:台湾鉄路】

「EMU3000」は台湾鉄路が都市間特急列車に導入する予定の新型車両。日立製作所が製作し、これまでに2編成が現地に搬入されている。現在は試験運転が行われており、12月にも運行を開始する予定だ。

審査委員は「意匠面においては、市民や現地の有識者とともに議論を重ねた結果、『台湾らしさ』の深層部を言語化したことにより、あくまで簡潔な外観と、柔らかで洗練された内装をあわせもつものとなり、派手さや奇をてらった要素が一切なく、品格のあるもの」と評価した。

このほか、「N700S」(JR東海・日本車両・日立製作所)や「18000系車両」(東京メトロ・日立製作所)も受賞。「鉄道の運行異常時における旅客案内・異常時案内用ディスプレイ」(JR東日本・日立製作所)は「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」に選ばれた。「グッドデザイン大賞」は11月2日に発表される予定。

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