JR北海道がダイヤ見直し検討 減便や臨時化、駅の廃止も 利用者減少「今後も続く」



JR北海道は10月14日、列車の減便を中心としたダイヤの見直しを来年2021年春に実施する方向で検討すると発表した。新型コロナウイルスの影響による利用者の減少に対応する。

宗谷本線を走る特急列車。【撮影:草町義和】

都市間を結ぶ特急列車は、定期列車の減便や臨時列車化を実施する。各列車の見直し概要は次の通り。

●北斗(札幌~函館)
・定期列車24本→定期列車20本+臨時列車2本
・夜間帯の上下各1本を廃止
・上下各1本を臨時列車化し、年間30日程度運休

●カムイ・ライラック(札幌~旭川)
・定期列車48本→定期列車44本・臨時列車4本
・上下各2本を臨時列車化し、年間230日程度運休

●大雪(旭川~網走)
・定期列車4本→臨時列車4本
・全列車を臨時列車化し、年間50日程度運休
・札幌直通の「オホーツク」4本は現状維持

●サロベツ(旭川~稚内)
・定期列車4本→定期列車2本+臨時列車2本
・臨時列車は年間30日程度運休
・札幌直通の「宗谷」2本は現状維持

このほか、特急「北斗」(7両編成)と「おおぞら」(6両編成)は、車両を減らして5両編成にする。

札幌圏の各線では利用者の減少にあわせ、10本程度の列車の見直しを検討。このほか、10本程度の列車の土曜・休日の運休を検討する。このほか、函館本線の滝川~旭川間や留萌本線、石北本線、宗谷本線の旭川~名寄間、根室本線の滝川~新得~帯広間では、利用者の少ない列車の見直しを検討する。

極端に利用者の少ない駅の見直しも検討。同社によると、利用者が少ない36駅について、廃止や自治体による維持管理への移行を関係する沿線自治体と協議しており、18駅程度を廃止の方向で協議中という。

JR北海道は、これらの見直しで年間約5億5000万円の経費削減になるとしている。同社は新型コロナウイルスの影響のほか、テレビ会議やウェブ会議の普及などによるライフスタイルの変化で、ビジネス利用や夜間帯の利用減少が今後も続く予想。ダイヤの見直しを検討することにしたとしている。