警報機や自動遮断機ない「第4種踏切」に新型ゲート JR西日本「手動」で一時停止促す



JR西日本の中国統括本部は、警報機や自動遮断機がない「第4種踏切」向けの新型ゲート「踏切ゲート-Lite」を開発した。本年度2023年度は25カ所程度の設置に向け、道路管理者と協議を進めて順次設置する方針。

警報機や自動遮断機がない第4種踏切。【画像:よしかっぱ/写真AC】

このゲートは線路と道路を遮断棒で常に遮る方式を採用。通行人が踏切に進入するときは手動で遮断棒を垂直方向に持ち上げ、踏切から出る際も遮断棒を水平方向に押すか垂直方向に持ち上げる。遮断棒は自動的に元の位置に戻る半自動式だ。歩行者や自転車、二輪車が通行する踏切に限定して整備する。

JR西日本によると、「踏切ゲート-Lite」は通行者が扱いやすく設置工事もしやすいという。同社は遮断棒の手動操作により通行者に一時停止・左右確認を促すことが狙いとしている。

「踏切ゲート-Lite」の設置イメージ。遮断機を押したり持ち上げたりして通行する。【画像:JR西日本】

第4種踏切は注意喚起の警標があるだけで、列車の接近を知らせる警報機や自動遮断機などが設置されていない踏切。このため事故が起きやすい。総務省の実態調査によると、第4種踏切は全国に約2600カ所ある。踏切100カ所あたりの事故件数は、警報機や自動遮断機を備えた第1種踏切が0.59件なのに対し、第4種踏切は第1種の2倍近い1.02件という。

この調査結果を受けて総務省は2021年11月、地方協議会などを活用して地域での議論や合意形成を促し、第4種踏切の廃止や第1種化を推進するよう国土交通省に勧告した。しかし、踏切を廃止すると迂回による所要時間の増加などもあって沿線住民の理解を得ることが難しく、第1種化は多額の整備費用がかかることから進んでいない。

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