東京メトロ副都心線「新駅の検証」豊島区が方針 予定地すでに「整備しやすい構造」



東京都豊島区は2月2日から「(仮称)東池袋駅周辺まちづくり方針(案)」に対する意見公募(パブリックコメント)を始めた。この方針案には副都心線・池袋~雑司が谷の新駅構想の検証などが盛り込まれている。

単線シールドトンネル2本のあいだに島式ホームを設けた西早稲田駅(工事中の2006年12月)。豊島区内の新駅の予定地も単線シールドトンネルが2本並んでいる。【撮影:草町義和】

まちづくり方針案の対象エリアは、都市計画道路の環状第5の1号線や補助81号線などで囲まれた東池袋駅周辺地域。サンシャインシティや豊島区役所がある。東京メトロ有楽町線の東池袋駅があるほか東京メトロ副都心線と都電荒川線も通っているが、副都心線は東池袋エリア内に駅がない。

まちづくり方針案によると、東池袋駅の周辺は高層マンションの建設や、としまみどりの防災公園(イケ・サンパーク)の整備を機に居住者が増加。池袋駅方面に加え大塚方面や雑司が谷方面からの来訪者が急増し、大学の開校で学生も増えているという。

こうしたことから豊島区は、まちづくりの方向性や取り組むべき項目を示したまちづくり方針を策定することに。方針案では「エリアの玄関口である東池袋駅の交通結節機能の向上に向けて、東京さくらトラム(都電荒川線)やバス等との連携強化を図るとともに、周辺都市開発の動向に合わせた副都心線新駅の検証により、交通結節機能の向上を目指します」との文言を盛り込んだ。

まちづくり方針案は豊島区のウェブサイトなどで閲覧できる。パブリックコメントの意見提出は2月29日まで豊島区役所や電子メールで受け付ける。

副都心線・池袋~雑司が谷の新駅の位置。【画像:国土地理院地形図、加工:鉄道プレスネット】

副都心線の池袋~渋谷は1975年9月、営団地下鉄(現在の東京メトロ)が地方鉄道免許を申請。1998年12月の第1種鉄道事業免許の追加申請を経て1999年1月25日に免許を取得した。2008年に開業している。

事業免許を取得したころ、豊島区が東池袋地区にも駅を設けるよう要望。1999年4月28日に「豊島区内新駅設置に関する確認書」を締結し、東池袋エリアの再開発が進展して利用者が見込めるようになった時期に新駅を整備するとされた。

解体が比較的容易なダクタイルセグメントを採用したシールドトンネル(写真は小田急小田原線の下北沢~世田谷代田)。【撮影:草町義和】

単線2本のシールドトンネルで計画された池袋~雑司が谷は、新駅をあとから整備しやすい構造で建設された部分がある。通常、シールドトンネルの壁(セグメント)はコンクリート製だが、豊島区役所の東側を通り抜けていくあたりは解体が比較的容易なダクタイルセグメントを採用している。

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