有楽町線・南北線の分岐線「着工」へ 東京メトロが土木工事公告



東京メトロは有楽町線分岐線と南北線分岐線の着工に向けた動きを本格化させている。8月から9月にかけ、両線の土木工事5件の一般競争入札を公告した。いずれも総合評価方式の試行工事。

南北線分岐線(左)と有楽町線分岐線(右)の列車のイメージ。【撮影:草町義和(左)・鉄道プレスネット(右)、加工:鉄道プレスネット】

有楽町線分岐線の土木工事は8月14日に豊洲駅のホーム増設工事を公告。分岐線の整備にあわせてホームを増設する既設の同駅で営業線トンネルの改造工事を行う。掘削量は3万1000立方mで工期は85カ月間。

島式ホーム2面4線構造の豊洲駅。内側2線のスペースが開業時から分岐線用として確保されているが、駅の北側にさらにホームを増設する。【撮影:草町義和】

9月14日には有楽町線分岐線の3工区の土木工事を公告。新設する駅を含む枝川・東陽町・千石の各工区で開削トンネルを建設する。各工区の掘削量・工期は枝川=11万6000立方m・84カ月、東陽町=12万3500立方m・93カ月、千石=9万1600立方m・80カ月。

枝川駅の予定地。この道路の下に建設される。【撮影:草町義和】

南北線分岐線は8月14日に白金工区の土木工事を公告した。掘削量1万2000立方mの開削トンネルを建設する。工期は132カ月間。

有楽町線分岐線は有楽町線の豊洲駅と半蔵門線の住吉駅を結ぶ約5.2kmの地下鉄新線。枝川・東陽町・千石の3駅(いずれも仮称)を新設し、このうち東陽町駅は東京メトロ東西線の同名駅との連絡を図る。

既設の豊洲駅はホームを増設し、新設3駅は開削工法で建設。豊洲~千石の各駅間は複線シールドトンネル(直径約10m)で建設し、千石~住吉は単線シールドトンネル(直径約7m)2本を建設する。

有楽町線分岐線の平面図。【画像:東京都・東京メトロ】
有楽町線分岐線の縦断面図。【画像:東京都・東京メトロ】

南北線分岐線は品川駅と南北線の白金高輪駅を結ぶ約2.8kmの地下鉄新線。品川駅と南北線の既設線路に接続する部分は開削工法で、それ以外の区間は複線シールドトンネルで建設する。

南北線分岐線の平面図。【画像:東京都・東京メトロ】
南北線分岐線の縦断面図。【画像:東京都・東京メトロ】

両線とも2030年代半ばの開業を目指す。

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