大井川鉄道「夜の臨時快速」SL牽引で運行 初の「停車型」乗車券だけで利用も可能



大井川鉄道(静岡県)は2月24日、夜間時間帯に蒸気機関車が牽引する「臨時快速」を運行する。同社が通常運行しているSL列車と異なり、乗車券だけで乗ることもできる。

大井川鉄道のSL列車。【撮影:草町義和】

運行区間は新金谷~家山で上下各2本を運行。途中、一部の駅に停車する。運行時刻と停車駅は次の通り。

●臨時快速81号
新金谷17時45分→福用18時07分→大和田18時15分→家山18時19分

●臨時快速83号
新金谷20時32分→福用20時54分→大和田21時02分→家山21時06分

●臨時快速82号
家山18時53分→神尾19時10分→合格19時23分→新金谷19時29分

●臨時快速84号
家山21時33分→大和田21時40分→神尾21時53分→新金谷22時06分

乗車には利用する区間で有効な乗車券(「川根温泉ゆる旅フリーパス」などフリー切符も利用可能)と指定席券(1000円)を購入する必要がある。指定席券の申し込みは大井川鉄道ウェブサイトのオンライン予約などで受け付けている。

ただし、座席の指定を受けなければ乗車券やフリー切符だけで利用することも可能だ。着席した座席に指定席券を持った客が来たら、席を譲る必要がある。

大井川鉄道では1976年から蒸気機関車が牽引するSL列車を運行しているが、新金谷~金谷はノンストップで運行。乗車には乗車券などのほかSL急行券も購入する必要がある。

大井川鉄道によると、「臨時快速」は新金谷~家山の途中いくつかの駅への停車をSL列車としては初めて実施することで「付加価値」を検証するという。また、座席指定を受けなければ運賃だけで乗車できることから、大井川鉄道は「ふだんのお出かけ、移動にSL列車を使って…ちょっとかっこよくありません?」とアピール。沿線住民にも利用を呼びかけている。

夜間に走る「臨時快速」の車内イメージ。【画像:大井川鉄道】

また、夜間の運行について大井川鉄道は「夜の川根路は家山方面に行くほど静かな環境になる傾向があります。ということは蒸気機関車の音、ガタンゴトンという列車の走行音がよく聞こえるようになるということ」「昼よりも夜のほうがSL の息づかいが聞こえやすいのでは」とし、夜汽車の風情を楽しめることもアピールしている。

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