京成電鉄・京成トラベルサービスの2社は12月5日、「成田空港エキナカトークショーと魅力発見ツアー」と題したツアーを開催した。成田空港駅では漫才コンビ「中川家」の礼二さんと、タレントの豊岡真澄さんによるトークショーが行われ、東成田駅の現在は使われていないスカイライナー専用ホームから帰路についた。
このツアーは12月5日の午前、船橋競馬場駅を出発。本線を走って成田空港駅に到着し、同駅のホーム上にある改札内コンコースで礼二さんと豊岡さんによるトークショーが約30分、行われた。
二人とも鉄道好きの芸能人として知られる。礼二さんは京成の特急スカイライナーについて、「新柴又駅を出て江戸川を渡ってからの本気度がいい」と話し、スカイライナーの最高速度が本線、成田空港線(成田スカイアクセス線)の北総線との共用区間、成田スカイアクセス線の単独区間によって段階的に変化していくことを表現した。
好きな車両は京成線を昔走っていた青電、好きな駅は柴又駅を挙げた。「僕は寅さんも好きなんで。柴又駅は昔の寅さんの映画と同じ雰囲気が残っている」と話した。豊岡さんは、京成上野~日暮里間にあった地下駅の博物館動物園駅を挙げた。1997年の休止を経て2004年に廃止されたが、「(地下トンネルを走行中に)窓に張り付いていると、ホームの跡地が一瞬見えるんですよ」と語った。
トークショーの終了後、参加者は成田空港を自由に見学。「初代・成田空港駅」の東成田駅に再集合し、同駅のスカイライナー専用ホームからAE形電車(2代目)の臨時列車に乗って帰路についた。東成田駅のスカイライナー専用ホームは通常閉鎖されており、イベント関係の臨時列車ながら現在のスカイライナー用車両であるAE形が同ホームを発着するのは珍しい。
東成田駅は1978年、初代の成田空港駅として開業。空港の旅客ターミナルビルからは少し離れた位置にあるため、列車に乗って成田空港駅に到着しても、そこからシャトルバスに乗り継がないとターミナルビルに行けないという不便な立地だった。
そのため、1991年には空港ターミナルビルに隣接する2代目の成田空港駅が開業し、スカイライナーも2代目の成田空港駅を発着するように。初代の成田空港駅は東成田駅に改称し、おもに空港で働く人が利用する通勤駅になった。
東成田駅の二つあるホームのうち、スカイライナー専用ホームは閉鎖されたが、成田空港駅を名乗っていた頃の駅名標や案内看板、広告看板などが設置されたままになっていて、昭和後期から平成初期にかけての鉄道駅の雰囲気が色濃く残っている。ツアー参加者はAE形の臨時列車が発車する直前まで、通常は入ることができないスカイライナー専用ホームを熱心に撮影していた。
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