岡山県備前市「赤穂線新駅」ブレーキ 市議会が予算認めず



JR赤穂線・香登~長船の「新駅」(岡山県備前市)構想にブレーキがかかっている。備前市が検討費などを予算案に盛り込んだが、市議会は十分な調整が行われていないなどとして予算化を認めていない。

赤穂線・香登~長船への設置が構想されている新駅の想定地域(赤)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

この構想は香登~長船の畠田地区に駅を新設するもの。付近にある工場への通勤利便性向上や、パーク&ライドを活用した列車通勤へのシフトによる脱炭素化や渋滞緩和のメリットがあるとされる。備前市は2022年度当初予算案に新駅の検討費(280万円)と畠田地区の用地取得費(1650平方m、2700万円)を盛り込んだが、市議会は十分な調整が行われていないなどとして認めなかった。

備前市は市議会の6月定例会でも検討費・用地取得費を盛り込んだ補正予算案を提出。吉村武司市長は「JR西日本との協議においても、まずは適地を確保したうえでなければ市の熱意が伝わらないし、適地そのものがなくなってからでは遅い」として用地取得を進める考えを示す一方、「新駅の実現には相当な時間がかかる。まずは(取得した用地を)公園用地として活用していく」と答弁した。しかし市議会は議論が不十分などとし、検討費・用地取得費を削除した修正案を可決した。

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