熊本空港アクセス鉄道「中間駅」構想が浮上 熊本県「一緒に検討していきたい」



熊本県が構想している熊本空港アクセス鉄道について、沿線の大津町が中間駅を設ける方向で検討を始めたことが分かった。熊本県は大津町と共同で検討する考えだ。

熊本空港アクセス鉄道のイメージ。【画像:熊本県】

熊本県の蒲島郁夫知事は1月4日の年頭記者会見で「空港周辺地域における市町村のまちづくりの取り組みは空港アクセス鉄道などの実現にプラスの効果をもたらすと私は考えている」とし、そのうえで「大津町から(中間駅の)具体的な計画をうかがったうえで一緒に検討していきたい」と話した。

熊本空港アクセス鉄道は、豊肥本線の肥後大津駅から分岐して熊本空港に至る約6.8kmの鉄道新線の構想。豊肥本線に直通し、熊本~熊本空港の約29kmを約44分(快速運行は約39分)で結ぶ。

熊本県の交通政策課は「大津町から具体的にどういう形で整備するか聞いていない」としている。一方、熊本県が昨年2023年12月に公表した構想段階評価書では空港アクセス鉄道を単線で整備し、中間部には上下の列車が行き違うための信号場を設置するとしている。このため信号場の代わりに行き違い可能な旅客駅を整備することなどが考えられる。

熊本空港アクセス鉄道の計画区域。【画像:熊本県】

2007年に開業した仙台空港アクセス鉄道の場合、名取~仙台空港7.1kmの中間に杜せきのした駅と美田園駅の2駅を設置している。利用者数(1日平均の乗降人員)は2007年度で杜せきのした駅が3016人、美田園駅が240人だったが、2019年度は杜せきのした駅が約1.2倍の3674人、美田園駅が約6.3倍の1521人に増加。中間駅周辺の開発が進んだことで空港アクセス客に地元客も加わり、鉄道の採算性向上につながっている。

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