熊本市電に定員2倍の「多編成車両」導入へ 急行運転なども検討

熊本市は10月6日、交通事業運営審議会を開催した。熊本市電を運営する交通局は2021~2028年を実施期間とする経営計画の骨子で、新型車両の導入などのプランを示した。

オーストリアの首都ウィーンの道路を走る多車体連節の路面電車。【撮影:草町義和】

交通局は経営計画骨子で「100周年を契機とした多編成車両導入」を明示。現行定員の2倍になる車両を導入するとし、「多編成車両」の乗り降りの方法や料金支払い方法などの検討を盛り込んだ。

骨子で示している多編成車両のイメージ図は、アルナ車両などが開発した超低床式・3車体連節タイプの路面電車「リトルダンサー・タイプUa」とみられる図面。熊本市電で現在運用されている2車体連節タイプの9700形電車や0800形電車より車体が一つ多い。

2車体連節の熊本市電0800形。【撮影:草町義和】
経営計画の骨子に掲載された「多編成車両のイメージ図」。「リトルダンサー・タイプUa」とみられる図面だが、「タイプUa」の定員は現在の2車体連節車と同程度だ。【画像:熊本市】

しかし、「タイプUa」の定員は9700形や0800形と同程度の70~80人で、現行定員の2倍にはほど遠い。このため、車体を長くした3車体連節車や、4車体以上の連節車の導入なども想定して検討されるとみられる。

このほか、骨子では多編成車両の導入などによるダイヤ最適化として、朝夕ラッシュ時の急行運転や、熊本駅始発ダイヤの見直し、待機車両の配置などを検討。バス事業者などとの連携によるゾーン運賃制の導入やスマートフォン・QRコード決済によるキャッシュレス化、MaaS(マース)の推進、パーク・サイクル&ライドシステムの導入による乗換拠点の整備なども検討するものとした。

経営体制についても検討を行っていくとしており、公設型上下分離方式(自治体が施設を管理・保有し、民間企業などが自治体から施設を借りて運営する方式)の導入なども含め検討されるとみられる。

熊本市電は1924年に開業。近年の年間乗車人員は約1000万人で、一般会計からの補助を受けているが黒字経営だ。一方で新型コロナウイルスの影響による利用者と運賃収入の減少に見舞われており、朝ラッシュ時の輸送力不足などの課題も抱えている。交通局は来年2021年2月にも経営計画の素案を示し、3月中に確定。4月から実施する方針だ。

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