ネパールのダハル首相は7月11日、中国とネパールを結ぶ鉄道の建設計画を承認した。ネパールのメディア「NEPAL KHABAR」などが報じた。
この計画は中国の広域経済圏構想「一帯一路」に基づき中国との連携強化を目的としたもの。中国チベット自治区のシガツェからヒマラヤ山脈のキドン・ラスワ国境を経てネパールの首都カトマンズに至る。距離は約630kmで、このうちネパール内は約70km。資金の調達方法や着工・完成の時期などは未定だ。
構想は古くからあり、1973年に中国の毛沢東主席がビレンドラ国王に提案した。2006年、青蔵鉄道(青海チベット鉄道)が全通。2014年には青海チベット鉄道の支線としてラサ~シガツェの鉄道が開業したこともあり、中国は一帯一路の一環としてネパールへの鉄道計画の検討を本格化させている。2017年には中国とネパールが鉄道計画を含む一帯一路の協定を締結した。
ネパールは「債務のわな」を警戒しているとみられ、中国からの無償資金援助を鉄道建設の条件にしている。また、ネパールでは与党の分裂による政権交代が繰り返されており、ネパール共産党統一毛沢東主義派のダハル首相は計画承認翌日の7月12日、下院での信任投票で過半数を得られず解任。7月15日にネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派のオリ氏が首相に就任した。鉄道計画が早期に事業化するかどうかは不透明な情勢だ。
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