JR東海の10駅で窓口「無人化」遠隔システム導入でサービス向上を強調



JR東海は1月18日、東海道本線と中央本線の10駅に遠隔サポートシステムを導入すると発表した。これにより窓口対応を無人化する。

「お客様サポートサービス」の導入で窓口が無人化される関ケ原駅。【画像:Mister0124/wikimedia.org/CC BY-SA 4.0】

東海道本線で遠隔サポートシステムが導入されるのは、名古屋~米原の各駅のうち枇杷島・清洲・稲沢・木曽川・西岐阜・穂積・垂井・関ケ原・近江長岡の9駅。中央本線の勝川駅にも導入される。導入工事は7月頃に着手。来年2024年2月頃から使用開始の予定だ。工事費は約11億9000万円。

「お客様サポートサービス」が導入される駅。【画像:JR東海】

これらの駅では近距離切符の券売機の近くにモニター付きインターホンと券面確認台を新設。遠隔地の案内センターから客を案内する。改札内インターホンには新たに「ご案内タッチパネル」を設置。タッチパネル上で精算などの案内を行う。

防犯カメラやスピーカーなども新設。案内センターのオペレーターが防犯カメラで駅の状況を把握するとともに、客からの質問への応対や声がけ、案内放送などを行う。このほか、現地案内に対応した係員を稲沢・西岐阜・関ケ原・勝川の各駅に配置。必要に応じて現地に出向いて客に対応する。

枇杷島・稲沢・西岐阜・穂積・垂井・関ケ原・勝川の各駅は指定席券の購入客が多いことから、遠隔サポートに対応した指定席券売機も設置する。この券売機では新幹線・在来線の指定席特急券などの購入が可能。学生割引乗車券など証明書の提示が必要な割引切符も、インターホンを通じてオペレーターが応対することで購入できる。

「お客様サポートサービス」の概要。【画像:JR東海】

JR東海は2013年から武豊線を皮切りに、遠隔サポートシステムの導入による駅の無人化を推進している。従来の名称は「集中旅客サービスシステム」だったが、今回の導入から「お客様サポートサービス」に改称する。今年2023年3月頃には飯田線の牛久保駅と武豊線の半田駅に導入される計画だが、両駅とも「ご案内タッチパネル」は設置しない。

JR東海は「(2024年2月頃に使用開始する10駅では)現在、早朝夜間等の駅係員不在時は、きっぷの購入・ICチャージ、乗り越し精算等ができませんが、サービス導入後は、列車を運行する全ての時間帯で、これらのサービスを利用できるようにします」とし、いまよりサービスが向上すると強調している。

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