東急大井町線「Qシート」他路線への拡大を検討 2022年度設備投資計画



東急電鉄は5月13日、本年度2022年度の設備投資計画を発表した。田園都市線の新型車両「2020系」の増備や目黒線の8両編成化、有料着席サービス「Qシート」の他路線への拡大の検討などを行う。

大井町線の列車に連結されている有料座席指定サービス「Qシート」車。【撮影:草町義和】

目黒線は従来6両編成で運行されていたが、このほど直通先も含めホームの延伸工事などが完了し、4月から8両編成の運用がスタート。同線で運用されている編成のうち、東急電鉄に所属する全26編成の8両編成化を2022年度中に完了させる。

目黒線の3020系(写真は100周年記念ラッピング車)。【撮影:鉄道プレスネット】

田園都市線で導入が進む2020系は、2022年度も1編成を導入。これにより同線の旧型車両8500系が2022年度中にすべて引退する。大井町線の有料着席サービス「Qシート」は、利用状況などを踏まえて他路線への展開などサービス拡充の検討を深める。

田園都市線の2020系。【撮影:草町義和】
2022年度中に引退が完了する8500系。一部は長野電鉄やインドネシア・ジャカルタの都市鉄道(写真)に譲渡されている。【撮影:草町義和】

安全対策の分野では、法面(のりめん)の補強による土砂災害対策工事を田園都市線・宮崎台~宮前平間や大井町線・等々力~上野毛間などで実施。ほかにも浸水対策工事や耐震補強工事を行う。土木施設・電気設備の維持更新工事や土木構造物の長寿命化工事も推進する。また、来年2023年3月の東急新横浜線の開業に向け、各種工事を引き続き進める。

2023年3月に開業する東急新横浜線の新横浜トンネル(2020年3月撮影)。【撮影:草町義和】

世田谷線・こどもの国線を除く全線で整備済みの踏切障害物検知装置は高度化を実施。従来型のレーザー式センサーより歩行者などを検知しやすい3Dセンター式の導入を推進する。全車に導入済みの車内防犯カメラについても、リアルタイムで確認可能な新型の導入などの検討を行う。また、環境対策として駅構内照明のLED化なども図る。

ホームと車両床面の段差・隙間の縮小は、段差3cm以下、隙間7cm以下を目安に引き続き推進。駅のトイレは2022年度末にはすべてのトイレで和式トイレの洋式化とウォシュレットの導入を完了させる。

東横線の都立大学駅では、外壁改修工事とホーム屋根延伸工事を実施し、2022年度中の完成を目指す。田園都市線では地下区間の5駅でリニューアルプロジェクトを引き続き推進し、2021年度に着工した駒沢大学駅は工事を本格化させる。

駒沢大学駅のリニューアルでは駅設備・内外装の改修のほか、トイレにベビーカーと一緒に入れる個室を設ける。また、西側にエレベーターを新設して二つ目のバリアフリールートを整備する。2024年の完成を目指す。駒沢大学以外の地下区間4駅もリニューアルに向けた検討を進める。

リニューアル完了後の駒沢大学駅のイメージ。【画像:東急電鉄】

このほか、コスト構造の抜本的見直し策として東横線へのワンマン運転の導入が計画されており、ワンマン運転の早期実現に向けた車両改修工事を行う。保守管理の分野では、機器類の状態のデータに基づいて検査や更新の周期を設定する状態監視保全(CBM)のシステムの導入に向け検証を進める。

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