小湊鉄道「キハ40」年内の法手続き完了目指す JR只見線の気動車、千葉の房総半島へ



小湊鉄道(千葉県)は6月3日、同社の車両基地に搬入されたキハ40系気動車について、年内にも法令に基づく手続きを完了させる方針を明らかにした。東北地方のJR線を走っていた気動車が千葉の房総半島の鉄道路線に移る。

小湊鉄道の従来車両(左右奥)とともに五井の車両基地に留置されているキハ40形(中央手前)。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

鉄道事業法では、鉄道車両を営業運転で使う場合、国土交通大臣の確認(車両確認)を受けなければならないと定めている。小湊鉄道によると、現在はキハ40系の車両確認の申請に向け準備を進めているところ。新型コロナウイルスの影響で今後のスケジュールは不透明な面があるとしつつ、年内の確認手続きの完了を目指しているという。営業運転の開始はそれ以降になる見通しだ。

小湊鉄道の車両基地に搬入されたのは、キハ40系のうち、車体の両側に運転台があるキハ40形の2両(キハ40 2021・2026)。JR東日本の只見線(福島県・新潟県)で使われていたが、3月のダイヤ改正にあわせて引退し、5月に郡山駅(福島県郡山市)から小湊鉄道の五井駅(千葉県市原市)に隣接する車両基地に搬入された。

キハ40系は1977年から1982年にかけて888両が製造された、国鉄の普通列車用の気動車。1987年の分割民営化でJR旅客6社が引き継いだ。老朽化のためJR線では順次引退している一方、引退した車両の一部は錦川鉄道(山口県)やミャンマー国鉄などが譲り受けて使用している。

車両基地の構内で試運転を行っているキハ40形。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

小湊鉄道は五井~上総中野(大多喜町)間の39.1kmを結ぶ小湊鉄道線を運営。いすみ鉄道が運営する大原(いすみ市)~上総中野間26.8kmのいすみ線と接続しており、房総半島の山岳地帯を縦断する鉄道ネットワークを形成している。