国際協力機構(JICA)は昨年2023年12月29日、ベトナム政府とのあいだでホーチミンの都市鉄道建設事業を対象とした円借款貸付契約に調印した。借款金額の上限は412億2370万円。
この円借款はベトナム南部の都市、ホーチミン市の都市鉄道1号線を対象としたもの。本邦技術活用条件(STEP)が適用され、地下区間や車両、ITシステムなどには日本の鉄道土木工事や車両・電気・通信・信号システム、維持管理などの技術が活用されている。
1号線はホーチミン市内のベンタイン~スオイティエンを結ぶ約20kmの路線。全14駅で3駅が地下駅、11駅が高架駅になる。運営はホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)が行う。清水建設などが建設に参画し、車両は日立製作所製。東京メトロも技術協力や人材育成の支援を行っている。
2012年に着工。当初は2018年に完成の予定だったが、事業費の膨張に加えコロナ禍も影響して工事は大幅に遅延。2022年にようやく列車の試運転が始まり、今年2024年中の営業運転開始が見込まれている。2023年時点の総事業費見込みは約44兆ドン(約2500億円)だが、さらに増加する見通しだ。
JICAは1号線について、ホーチミン都市圏の交通渋滞や大気汚染の緩和、地域経済の発展に寄与するものとしている。
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