欧州夜行列車「ナイトジェット」新型車両を導入 シャワー付きやカプセル型の寝台も



オーストリア連邦鉄道(OBB、オーストリア国鉄)とシーメンス・モビリティは9月6日、オーストリア国鉄が運行する欧州の夜行列車「ナイトジェット」に導入する新型車両を発表した。来年2023年夏頃に運行を開始する。

「ナイトジェット」新型車両の2人用個室。【画像:シーメンス・モビリティ】

1編成7両で寝台車2両と簡易寝台車(クシェット車)3両、座席車2両で構成される。1編成の定員は254人。シーメンス・モビリティのウィーン工場で製造される。

寝台車は2段式寝台を設けた2人用個室でシャワー・トイレ付き。クシェット車は2段式寝台を二つ並べた4人用個室のほか、2段式カプセルホテルのような形状の1人用個室を設ける。座席車2両のうち1両は多機能車とされ、自転車(6台分)やスキー、スノーボードの収納スペースを設置。バリアフリーに対応したクシェットも設けられる。

クシェットの4人用個室。【画像:シーメンス・モビリティ】
1人用個室のクシェット。【画像:オーストリア国鉄】

電源コンセントや充電用USBポートを設置し、個室には照明の調整やスタッフの呼び出しなどを行うことができるコントロールパネルを設ける。Wi-Fiサービスを提供し、映画や雑誌、新聞を無料で見ることができるようにする。防犯対策として全車両にビデオ監視システムを装備するほか、個室にはNFCカードによる電子アクセスシステムを導入する。

2023年夏頃、オーストリア・ドイツ~イタリアを結ぶ列車で運行開始の予定。2025年までに7両編成33本が製造され、オーストリア・ドイツ・イタリア・スイス・オランダの「ナイトジェット」に導入されて既存の車両の大半を置き換える計画だ。

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