大阪万博の玄関口「夢洲駅」基本デザインが決定 「折り紙」「門型照明」採用



大阪港トランスポートシステム(OTS)は4月27日、北港テクノポート線・夢洲駅(仮称)の基本デザインを決定したと発表した。2025年に開催される大阪万博の「玄関口」として2024年度内に開業する予定。

夢洲駅(ホーム部)のイメージ。【画像:OTS】

ホーム階は客が利用できる部分の長さが約150m。折り紙を模した金属パネルの「折り紙天井」や、駅の案内を際立たせる「ライン照明」を採用。床は耐久性が高く美観を維持できるという「磁器質タイル」を採用する。柱と天井、床を囲む「門型照明」も導入する。ホームドアや軌道部の天井・壁は黒色塗装を採用し、白を基調にした折り紙天井と対比させることで、シンプルで落ち着きのある空間にするという。

ホーム部は「折り紙天井」「ライン照明」「門型照明」などが導入される。【画像:OTS】

コンコース階は長さが約190mで、幅は約17m。壁に「サイネージパネル」を採用して折り紙天井と対比させ、門型照明も採用する。床は磁器質タイルで、外側にいくほど濃くなるグラデーションのデザインを施す。改札外コンコース部(改札前円形広場)には可変サインを導入する。

コンコース部のイメージ。【画像:OTS】
改札外コンコース部(改札前円形広場)のイメージ。【画像:OTS】

基本コンセプトは「移世界劇場 動く(いきる)=移動の魅力を発信する駅」。「動きで魅せるいのちの多様性」「日本の技術と文化で紡ぐ未来」「新しい移動のカタチ 挑戦する夢洲」という三つの思いを込めているという。

OTSの北港テクノポート線は大阪湾岸のコスモスクエア~夢洲~舞洲~新桜島間に計画されている鉄道新線。コスモスクエア駅で大阪メトロ中央線と接続し、実質的には中央線の延伸区間になる。

計画は長らく凍結されていたが、夢洲地区で大阪万博を開催することが決まったのを機に、南ルートのコスモスクエア~夢洲間のみ工事が再開。夢洲駅は大阪万博会場の最寄駅として整備される。開業時には大阪メトロがOTSから北港テクノポート線の線路を借り、中央線~北港テクノポート線の直通列車を運行するとみられる。

大阪万博閉幕後の会場跡地にはカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備が考えられており、夢洲駅はIR施設の最寄駅になる。

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