大阪メトロ9駅「リニューアル」新デザイン決定 4年前の素案で「悪趣味」批判殺到



大阪メトロは4月7日、御堂筋線・中央線の計9駅で実施するリニューアルのデザインを決めたと発表した。先に発表していた5駅のリニューアルデザインの決定に続くもの。リニューアルする駅(デザインコンセプト)とその概要は次の通り。

●淀屋橋駅(アーチ構造の象徴)

同駅エリアを「古くから政治・経済の中心地として大阪を支えてきた」とし、重厚感のある石材やモノトーン基調で表現。

淀屋橋駅のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】

●本町駅(インターセクション)

御堂筋線と中央線の交差駅。御堂筋線ホームはダブルアーチの天井形状と柱の造形を活かしつつ、高級感のある素材と最新の照明計画で「モダンとクラシックが共存するデザイン」とする。中央線ホームも高級感のある仕上げ素材と、最新の照明計画を採用。両線を結ぶ通路や階段などは、万博開催中や会期前後の交通量の変化なども加味しながら使いやすい駅になるよう徐々に改装を進める方針。

本町駅(御堂筋線ホーム)リニューアルのイメージ。【画像:大阪メトロ】
本町駅(中央線)のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】

●大国町駅(地下構造が美しい駅)

御堂筋線・四つ橋線を同じホームで乗り換えできる駅。列車が走る軌道の天井は「美しさをより際立たせるライティング」を採用する。南側のコンコースには車両模型や車両の歴史に関する展示スペースを設けるほか、実際に走行する車両を展示スペース奥の窓から見られる構造にする。

大国町駅(ホーム)のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】
大国町駅の南コンコースは模型や車両の歴史に関する展示スペースを設置。【画像:大阪メトロ】

●天王寺駅(柱の美、格子の美、光の美)

天井のグリッドが「人が行き交い、鉄道が行き交うターミナル駅」を象徴する。グリッドと連続する柱の「美しさ」を照明で際立たせる。

天王寺駅のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】

●大阪港駅(海)

「大海原を泳ぐ大型の海洋生物」をイメージしてデザイン。ホーム屋根には膜構造を採用する。ホーム西側には展望スペースを設ける計画。パラソルやクジラの潮をイメージしたシンボルを設置する。

大阪港駅のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】
ホーム西側には展望デッキを設ける。【画像:大阪メトロ】

●弁天町駅(ステーション アート)

大阪万博やIRの整備を控え、同駅の乗り換え客が増えることから「明るく使いやすい駅」と位置付けた。大型デジタルサイネージを取り入れて照明・映像による演出を行う。

弁天町駅のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】

●谷町四丁目駅(ジャポネスク)

大阪城に最も近い駅として、柱や壁のグラフィックで「和」を表現する。

谷町四丁目駅のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】

●森ノ宮駅(フォレスト)

大阪城公園に隣接した立地を活かし、柱などに木の枝の表現を取り入れる。西のコンコースには「今回のリニューアル工事で役目を終える御堂筋線のシャンデリアなどの歴史的価値のあるもの」を展示するスペースを設ける。

森ノ宮駅のリニューアルイメージ。【画像:大阪メトロ】
西コンコースは御堂筋線のシャンデリアなど歴史的価値があるものを展示するスペースを設置。【画像:大阪メトロ】

大阪メトロは4年前の2018年12月、300億円を投じて15駅をリニューアルする計画を発表したが、素案のイメージ図に対し「悪趣味」「地下鉄の歴史的価値を理解していない」などとした批判が殺到。同社は2019年8月、5駅(御堂筋線の中津・梅田・心斎橋・動物園前と中央線の堺筋本町)の新しいデザイン案を発表していた。

《関連記事》
大阪メトロ御堂筋線ホームドア「全駅整備」ラスト・なんば駅あす運用開始
大阪メトロ初の新型「400系」中央線に クロス席やUSB電源、自動運転実験にも対応