名鉄の新安城駅付近「高架化」検討が本格化へ 名古屋本線と西尾線の約3.9km



名鉄名古屋本線・西尾線の新安城駅付近で線路を高架化して踏切を解消する構想の検討が本格化している。愛知県安城市は本年度2024年度当初予算で「新安城駅まちづくり事業」として1億1290万円を計上。連続立体交差事業の検討に必要な調査を行う。

名鉄線の列車。【画像:たもぞう/写真AC】

立体化の検討区間は合計約3.9km。内訳は名古屋本線が新安城駅とその前後の約2.9kmで、西尾線は新安城駅から約1.0kmの地点になる。まちづくり事業の想定エリアは立体化する線路周辺の100ha程度になる。

2024年度の調査では、駅周辺の連続立体交差化を想定したまちづくりの調査・検討を実施。都市機能や都市構造など広域的条件調査に加え、現在の土地利用の状況や地価、街路の整備状況、鉄道の現状などを調べ、現在の状況の問題点を整理する。これによりまちづくりの基本構想を作成し、各種施設の配置計画の検討や概算事業費の算出などを行う。

新安城駅付近の連続立体交差化の検討区間(赤)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

安城市によると、新安城駅周辺では踏切による渋滞や駅前ロータリーの混雑などさまざまな課題を抱えている。このため同市は新安城駅付近の連続立体交差化を検討。連続立体交差化は都市交通の円滑化に加え駅周辺の市街地の再生・活性化など都市圏全体に影響を及ぼすことから、おもにまちづくりに関係する調査を実施するという。

新安城駅付近の踏切は遮断時間が長くラッシュ時の渋滞が激しい。とくに同駅の北西側(名鉄名古屋寄り)にある新安城1号踏切は1時間の遮断時間が40分以上の「開かずの踏切」で、踏切道改良促進法に基づく「改良すべき踏切道」に指定されている。昨年2023年7月、安城市は愛知県に対し、連続立体交差事業の実施に必要な調査を行うよう要望。愛知県も同市と歩調をあわせて連続立体交差化の調査を進める考えだ。

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