大井川鉄道の普通客車列車「分離」走行中に連結器外れる 重大インシデント認定



大井川鉄道の大井川本線・家山駅付近(静岡県島田市)で11月28日、走行中の列車が分離するという事故が発生した。国土交通省は重大インシデントに認定。運輸安全委員会が担当調査官2人を指名し、現地に派遣した。

機関車と客車をつなぐ連結器が外れた普通客車列車(写真は2023年10月24日)。【撮影:草町義和】

大井川鉄道によると、事故は上り家山発→金谷行き臨時普通列車(第52列車、電気機関車1両+客車3両)が家山駅を発車した直後の14時45分ごろに発生。先頭の電気機関車とその直後の客車をつなぐ連結器が外れた。客車の安全装置が機能して自動的に非常ブレーキがかかり、列車は家山駅のホーム終端から約100mの地点で緊急停止。乗客81人と乗員5人にけがはなかったという。

列車分離事故の概略図。【画像:大井川鉄道】

大井川鉄道は連結器が外れた原因について、11月28日19時時点で調査中としている。同社は「ご乗車のお客様には多大なご迷惑をおかけした事を深くお詫び申し上げます」と謝罪。「走行中に連結器が外れる様な事は交通事業者としてはあってはならないことで、原因を追究するとともに再発防止に努める所存です」とコメントした。

この臨時普通列車は大井川鉄道が企画した「普通客車列車」と呼ばれるもの。戦前から戦後にかけ製造された国鉄の旧型客車を運賃だけで乗れる普通列車として運行しており、同社は昭和期の普通列車を令和の時代に再現したとアピールしていた。6~7月にも同様の列車が運行されており、このときは2000人以上が乗車したという。

大井川本線は11月29日13時20分時点で平常運行に戻っている。普通客車列車は今後、11月30日と12月5~7・26・27日に運行の予定だったが、このうち11月30日の運行は中止が決まった。

※記事を差し替えました。(2023年11月29日13時40分)

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