東京都大田区は2月10日、来年度2022年度予算案の概要を発表した。一般会計総額は3008億7435万6000円で前年度2021年度比2.4%増。鉄道関係では新空港線(蒲蒲線)の整備主体設立や関連事業の費用として11億8574万8000円を計上した。
蒲蒲線は都市鉄道等利便増進法に基づき、線路を整備する整備主体と列車を運行する営業主体に分けた上下分離方式で整備することが想定されている。大田区は関係者との合意に向け協議を進めており、合意形成後は整備主体となる第三セクターを設立して速やかに事業着手する方針だ。
また、事業財源を確保するための基金の積み立てを引き続き行う。2022年度の積立額は10億円で、同年度末の積立高は88億円になる見込み。このほか、蒲蒲線の事業計画や進捗状況などを知らせる広報・啓発活動を強化。動画を活用した説明や、区内のイベントなどでの周知活動を行う。
蒲蒲線は東急多摩川線の矢口渡駅付近から同線を地下化し、東急蒲田地下駅と京急蒲田地下駅を経由して大鳥居駅の手前で京急空港線に乗り入れる新線の計画。国土交通大臣の諮問機関、交通政策審議会が2016年に答申した『東京圏における今後の都市鉄道のあり方について』(交政審198号答申)に盛り込まれた。
このうち矢口渡~京急蒲田間を先行して整備することが考えられており、約800m離れているJR・東急蒲田駅と京急蒲田駅をつないで利便性の向上を図る。先行整備区間の概算事業費は1260億円。
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