ハピライン北陸トンネル「携帯電話」利用可能に かつて日本最長、10km以上は全国初



ハピラインふくいは6月21日、ハピラインふくい線の北陸トンネルなど3トンネルで携帯電話などを利用できるよう、電波遮蔽対策事業の実施に向け準備を開始したと発表した。

ハピラインふくい線の列車。【画像:Kiha railway/wikipedia.org/CC BY-SA 4.0】

事業が実施されるのは、ハピラインふくい線・敦賀~湯尾22.8kmのうち敦賀~南今庄の北陸トンネル(13.9km)と南今庄~今庄の今庄トンネル(0.9km)、今庄~湯尾の湯尾トンネル(0.7km)。現在は敦賀~湯尾の所要時間が20分前後で、このうち10分弱は携帯電話がつながらない。トンネル内に光ファイバーとアンテナを設置して携帯電話を利用できるようにする。

本年度2024年度は詳細設計などを実施し、2025年度の工事着手を目指す。ハピラインふくいによると、新幹線を除く在来線トンネルのうち10km以上ある長いトンネルで電波遮蔽対策事業を行うのは全国初という。

電波遮蔽対策事業のイメージ。【画像:ハピラインふくい】

敦賀~湯尾の3トンネルは、国鉄北陸本線のルート短縮と複線化による輸送力増強を目的に計画され、1962年に開通した。このうち北陸トンネルは1972年に山陽新幹線の六甲トンネルが開通するまで日本最長の鉄道トンネルだった。

北陸トンネルの敦賀寄り坑口。【画像:train rider】

3トンネルを含む北陸本線の福井県内区間(敦賀以北)は1987年の国鉄分割民営化でJR西日本が引き継いだが、今年2024年3月に北陸新幹線・金沢~敦賀が延伸開業したのに伴い第三セクターのハピラインふくいが経営を引き継いだ。これにより北陸トンネルはJRを除く私鉄・第三セクターの鉄道トンネルとしては日本最長となった。

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