長崎本線・肥前山口~諫早「非電化化」少し短縮 電化維持区間を肥前浜まで延伸

上下分離方式に移行する区間を走る長崎本線の特急「かもめ」。写真の肥前飯田駅付近は「非電化化」される。【画像:まさじーやん/写真AC】

長崎県は7月5日、九州新幹線長崎ルート(西九州ルート、西九州新幹線)の部分開業に伴い「上下分離方式」に移行する並行在来線について、上下分離時の電化維持区間を延伸することを明らかにした。

西九州新幹線は2022年秋に開業する予定。これに伴い並行在来線の長崎本線・肥前山口~諫早間(佐賀県・長崎県)は、佐賀県と長崎県が今年2021年4月に設立した一般社団法人佐賀・長崎鉄道管理センターが線路施設を保有し、JR九州が管理センターから線路を借りて列車を運行する上下分離方式の経営に移行する。

肥前山口~諫早間は電化されているが、2007年の佐賀県・長崎県・JR九州3者の合意では維持経費を抑えるため、上下分離にあわせて電化設備を撤去して「非電化化」する計画だった。しかし2019年10月、JR九州の意向で博多~肥前鹿島間で電車による特急列車を運行することになり、佐賀県内の肥前山口~肥前鹿島間の電化施設は維持することに。その経費はJR九州が負担することが決まっていた。

長崎県が7月5日の県議会総務委員会で明らかにしたところによると、JR九州が一部の普通列車を電車で運行したいとし、列車の待ち合いを考慮して電化維持区間を肥前鹿島駅から一駅先の肥前浜駅まで延伸することを提案。新型コロナウイルスの感染拡大や昨年2020年7月の豪雨災害を受け、さらなるコスト削減が必要とし、気動車に比べ運行コストの低減につながる電車での運行を一部実施したいと説明したという。

長崎本線の上下分離方式への移行区間(青)と西九州新幹線(赤、点線は未着工)の路線図。電化を維持する区間は従来計画より一駅延びて肥前山口(江北)~肥前浜間になる。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット編集部】

電化維持区間の延伸に伴う経費はJR九州が負担。肥前鹿島~諫早間の電化設備の撤去費は9億円が見込まれていたが、「非電化化」区間の短縮で8億6000万円に縮小し、撤去費は3者で負担する。撤去工事は上下分離方式に移行する2022年秋以降に行われる計画だ。

佐賀・長崎鉄道管理センターは今年2021年夏以降、鉄道事業法に基づく第3種鉄道事業(線路施設を保有してほかの鉄道事業者に貸し付ける事業)の許可を申請する予定。

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