JR東海は10月28日、特急「ひだ」「南紀」に導入する新型の特急形気動車の形式名を「HC85系」に決めたと発表した。同時にHC85系のシンボルマークのデザインも公表した。
「ひだ」「南紀」が走る高山本線と紀勢本線は電化されておらず、車両は1989年に導入された特急形気動車のキハ85系を使用している。JR東海は2017年6月、老朽化が進むキハ85系の置き換え用として、ハイブリッド方式の新型特急気動車の開発を発表していた。
JR東海によると、「HC」は、エンジンで発電した電力と蓄電池の電力を組み合わせ、モーターを回して走行する「Hybrid Car(ハイブリッド方式の車両)」であることを表している。一方で「30年以上に亘って多くのお客様にご利用頂いた従来方式の『85系気動車』から、技術革新したハイブリッド方式の85系」という意味を込め、数字の部分はキハ85系と同じにしている。
シンボルマークは、ハイブリッド方式の鉄道車両としては営業最高速度が国内最速の120km/hになるなどの特徴を踏まえてデザイン。対比する2色のグラデーションでハイブリッド方式の車両であることを表現し、3本の流線形状でスピード感を表現したという。
今後は2019年12月にHC85系の試験走行車が完成する予定。1年間をめどに基本性能試験や長期耐久試験などが行われ、JR東海は2022年度の量産車の導入を目指す。