大井川鐵道の蒸気機関車「C11 312」新駅が設置される交流拠点施設で展示へ



大井川鐵道の大井川本線をかつて走っていた蒸気機関車C11形の312号機が、静岡県島田市内に整備される交流拠点施設「KADODE OOIGAWA(カドデオオイガワ)」で展示されることが決まった。

C11 312の展示イメージ。【画像:大井川鐵道】

C11 312は1946年製造。旧国鉄時代は福島県の会津地方で使われていた。1975年に廃車され、その後は三重県内のドライブインで展示されていたが、1988年に大井川鉄道(現在の大井川鐵道)が動かせる状態で復元。大井川本線のSL列車をけん引した。

大井川鐵道によると、2007年の営業運転終了後、ほかの蒸気機関車に部品を供給するための「部品取り車両」となっていたが、経年劣化による腐食が進んでいる。そのため、新施設での展示に際しては、復元できない部品を新造するなどの修繕を行うという。

引退時のC11 312。【画像:大井川鐵道】
修繕作業中のC11 312。【画像:大井川鐵道】

C11 312が展示される「カドデオオイガワ」は、新東名高速道路の島田金谷インターチェンジ付近に整備される、新しい交流拠点施設。「緑茶と農産物の体験型フードパーク」をテーマとし、大井川流域の農産物や観光などを楽しめるようにするという。近くには大井川本線・五和~神尾間の線路も通っており、カドデオオイガワと一体化した新駅が設置される。

新しい交流拠点施設「カドデオオイガワ」のイメージ。【画像:大井川鐵道】

「カドデオオイガワ」は2020年11月にオープンし、同時にC11 312の展示も始まる予定だ。

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