大井川鉄道「普通の客車列車」7月も運行へ 平日だけでなく週末も乗車OK



大井川鉄道(静岡県)は6月20日、通常は電車で運行している大井川本線の普通列車を客車に置き換えた「客車普通列車」を、7月も運行すると発表した。6月は一部の平日のみ運行の予定だが、同社は計画の発表で話題になったことを受け「増発」を決めた。

大井川鉄道が7月も運転することを決めた「客車普通列車」のイメージ。【画像:大井川鉄道】

通常は電車で運行されている16~21時台の普通列車を2両編成の客車列車に置き換え、編成の前後に電気機関車を連結して走る。運行期間は土・日曜を含む7月1~13日。6月の運行は平日のみの設定だが7月は週末も走る。

客車列車に置き換わる普通列車は6月と同じで次の通り。通常と同じ時刻で運行される計画だが、大井川鉄道は終着駅の到着が5分前後遅くなる場合があるとしている。

金谷16時05分発→新金谷16時10分発→家山16時37分着(※金谷→新金谷は電車)
家山16時52分発→金谷17時25分着
金谷17時38分発→家山18時10分着
家山18時25分発→金谷18時58分着
金谷19時10分発→家山19時42分着
家山19時57分発→金谷20時30分着
金谷20時40分発→新金谷20時44分着→家山21時12分着(※新金谷→家山は電車)

6月運行分と同様、全車自由席で通常の乗車券やフリー切符などで利用可能。飲食類や補充券の車内販売も行われる。7月の運行分では、以前発売した「ひと駅きっぷ」(大井川本線の隣り合った駅間を発売区間とした切符)を再発売。客車に行先板(サボ)を取り付けて運行する。

「客車普通列車」の車内のイメージ。【画像:大井川鉄道】

大井川鉄道は観光客向けのSL列車を運行していることで知られ、昭和の戦前・戦後期の1935~1955年ごろに製造されたレトロな国鉄旧型客車もSL列車用として多数保有している。一方で電車を使った普通列車も運行しており、おもに沿線在住の地元客が利用。『鉄道統計年報』(2020年度)によると、大井川鉄道の利用者の22%は定期券で利用する定期客だ。

おもに地元客が利用する普通列車は電車で運行されている。【撮影:草町義和】

大井川鉄道は「昭和の日常を追体験できる令和の非日常」をコンセプトに、地元客が利用する普通列車をレトロな旧型客車に置き換えて運行することを企画。当初は運行日を今年2023年6月20~30日の平日のみ計7日とし、6月12日に発表した。

大井川鉄道によると、この企画の発表で「昭和に会える列車」「昭和を体験できる列車」と話題になったことから「さらなる運転日もありだな」と踏み、7月も運行することにしたという。

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