札幌市電「上下分離」まもなく認可へ 運行は札幌市交通事業振興公社に



国土交通大臣の諮問機関である運輸審議会は10月8日、札幌市が申請していた軌道運送高度化実施計画の変更認可の申請を軽微事案と認定した。近日中に国交相が申請を認可する見込み。2020年から札幌市電が「上下分離方式」の経営に移行する。

上下分離方式の経営に移行する札幌市電。【撮影:鉄道プレスネット編集部(K)】

札幌市電は2013年4月に軌道運送高度化実施計画が認定され、路線のループ化や新型の超低床式電車の導入などの改良が行われた。しかし、札幌市は「路面電車の経営は、乗車人員の減少により、厳しい状況」などとして、上下分離方式の導入を決定。2019年5月、上下分離方式の導入に必要な手続きとして軌道運送高度化実施計画の変更認可を国交相に申請していた。

上下分離は施設の保有と運営を分離する経営方式。公設型の上下分離では、公共団体が施設を保有し、運営事業者に無償で施設を貸し付ける。これにより安定した運営が可能になるとされている。

申請が認可された場合、札幌市電は2020年から上下分離方式に移行。施設と車両はこれまで通り札幌市交通局が保有するが、旅客運送と運行管理、施設や車両の維持管理は一般財団法人の札幌市交通事業振興公社が行う。