
京王電鉄は4月30日、本年度2021年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。総額は240億円。線路を高架化する連続立体交差事業(連立事業)やホームドア設置などを引き続き進めるほか、車両の増備も行う。
京王線・笹塚~仙川間の線路を高架化する連立事業では、新たに下高井戸駅付近と桜上水駅付近で工事に着手する。これにより全8工区のうち6工区で着工し、未着工の工区は2工区になる。このほか、用地買収や土留杭の設置、高架橋基礎杭の構築を引き続き進める。工事が完了すると25カ所の踏切が解消される。

ホームドアは下北沢駅の1・2番線で整備を進める。また、ホームと車両の隙間を縮小するため転落防止ゴム(くし状型ゴム)の整備を下北沢駅と京王稲田堤駅で進める。
車両はロング・クロス転換座席を設けた5000系電車10両編成1本を増備する。この増備車のロング・クロス転換座席は日本初のリクライニング機能付きの転換座席を採用する。京王線8000系電車は2編成16両のリニューアルを実施。車体の改修にあわせ、車椅子・ベビーカースペースを全車両に設ける。

英語に対応した車内自動放送装置の導入(8000系2編成16両)や、VVVFインバーター制御装置の更新(8000系2編成16両)、ヘッドライトのLED化(9000系10編成20両)も行う。
駅設備は新宿駅新線口改札内のエスカレーターについて、老朽化に伴う更新工事に着手。府中競馬正門前・若葉台・多摩境の各駅で旅客トイレのリニューアル工事を行う。めじろ台駅には車両のブレーキ時に発生する回生電力を駅の照明やエレベーターなどで使えるようにする駅舎補助電源装置を設置する。
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