台風で浸水「E7系」代替車は2022年度末までに製造 JR東日本2020年度設備投資計画



JR東日本は9月16日、2020年度設備投資計画を発表した。設備投資額は連結ベースで7110億円。前年度2019年度より約300億円の減少となる。単体ベースでも約670億円減の5510億円。

台風による浸水で廃車になったE7系のF7編成。【撮影:草町義和】

設備投資計画の概要によると、新造車両は横須賀・総武快速線にE235系電車を投入。東北エリアでは津軽線・五能線・奥羽本線にGV-E400系電気式気動車、男鹿線にEV-E801系蓄電池電車を導入する。

浸水して一部の編成が使用できなくなった新幹線車両のE7系電車は、2022年度末までに代替となる車両の新造を進める。2019年10月、台風19号の影響で千曲川(長野県)が決壊し、近隣の車両基地に留置されていたE7系96両(12両編成8本)が浸水。JR東日本は浸水した全車両の廃車を決めていた。

津軽線や五能線などに導入される電気式気動車のGV-E400系。【画像:JR東日本】

ホームドアの整備は、山手線では東京駅、京浜東北線では品川(大宮方面)・東京・与野などの各駅、中央・総武緩行線では信濃・千駄ヶ谷などの各駅で使用開始する。与野駅には低コストタイプの「スマートホームドア」を導入する。中央快速線では2023年度末に予定されているグリーン車の増結に向け、工事を進める。また、技術革新に取り組むことでワンマン運転の拡大などを図る。

駅周辺などの再開発事業では、今年2020年の4月から8月にかけ「ウォーターズ竹芝」をオープン。5月にホテルメトロポリタン川崎、6月にJR横浜タワー・JR横浜鶴屋町ビルをオープンした。JR川崎タワーは2021年度オープンに向け工事を進める。また、品川・渋谷・東京各駅などの大規模ターミナル駅の開発も進める。

複数の交通手段のサービスを一体的に提供する「MaaS」(マース)については、JR東日本アプリによる情報提供の充実化や、「Ringo Pass」(リンゴパス)・観光型マースなどの開発を継続。対話型の指定席券売機など新たなサービスの提供を進めるという。