近鉄が関西・東海の両エリアでフリー切符 1日1000~1500円、大阪~奈良往復より安く



近畿日本鉄道(近鉄)は7月22日、特定のエリア内の路線が1日1000~1500円で自由に乗り降りできるフリー切符「近鉄1dayおでかけきっぷ」を発売すると発表した。

「近鉄1dayおでかけきっぷ」の案内ポスター。大阪・奈良・京都版(左)と愛知・三重版の2種類が発売される。【画像:近鉄】

近鉄大阪線の三本松駅(奈良県宇陀市)より西側の関西エリアの近鉄線が利用できる大阪・奈良・京都版(1000円)と、赤目口駅(三重県名張市)より東側の東海エリアの近鉄線を利用できる愛知・三重版(1500円)の2種類。子供用も半額で発売される。

8月1日から9月30日までの1日に限り、それぞれ指定されたエリア内の近鉄線を自由に乗り降りできる。

奈良県と三重県の県境をまたぐ近鉄大阪線・三本松~赤目口間は、利用できるエリアに含まれていない。特急列車は特急券を別途購入すれば利用可能。大阪・奈良・京都版は生駒ケーブルと西信貴ケーブルも利用できるが、葛城山ロープウェイは利用できない。

近鉄名古屋駅で発車を待つ列車。【撮影:草町義和】

販売期間は7月27日から9月29日までで、乗車日の1カ月前から前日までの前売りのみ。乗車当日に購入することはできない。各エリア内の近鉄のおもな駅で販売される。

大阪・奈良・京都版の場合、大阪難波~近鉄奈良間の往復利用(所定運賃は1140円)や大阪阿部野橋~橿原神宮前間の往復利用(同1280円)で所定運賃より安く利用できる。愛知・三重版は近鉄名古屋~鳥羽間を片道利用するだけでも所定運賃より250円安い。

国内の鉄道各線は新型コロナウイルスの影響を受け、緊急事態宣言の解除後も利用者数が回復していない。近鉄は「遠方へ出かけることを控える状況が続いている中で、まずは、日帰り旅行やちょっとしたおでかけでお客さまに近鉄電車をご利用いただきたいとの思い」から、近距離で利用向けのフリー切符を期間限定で発売することにしたとしている。

大阪と名古屋を結ぶ近鉄特急「ひのとり」。特急列車は特急券を別途購入すれば利用できる。【画像:ゆー63/写真AC】