花輪線の全線再開「5月14日」9カ月ぶり、津軽線や米坂線はめど立たず



JR東日本の盛岡支社と秋田支社は4月20日、運休中の花輪線・鹿角花輪~大館について、復旧工事や設備の安全確認のめどが立ったとし、5月14日の始発から運転を再開すると発表した。9カ月ぶりに全線での運行が再開される。

路盤が流出した花輪線の末広~土深井。【画像:JR東日本】

花輪線は好摩~大館の106.9kmを結ぶ路線。昨年2022年8月の大雨で路盤流出など大きな被害が発生し、現在も秋田県内の鹿角花輪~大館37.2kmで運転を見合わせている。全線再開に伴い、代行バスや振替輸送は今年2023年5月13日限りで終了する。

キハ52形(手前)など国鉄型気動車が運行されていたころの花輪線。【撮影:草町義和】

2022年8月の大雨では、ほかにもJR東日本の津軽線・蟹田~三厩と米坂線・今泉~坂町で大きな被害が発生し運休中。いずれも復旧工事に着手しておらず、再開時期のめどは立っていない。

JR東日本と津軽線の沿線自治体は2023年1月から、同線の今後のあり方を協議する検討会議を開催している。JR東日本は3月、自社単独での復旧・維持は難しいとし、上下分離方式の導入による鉄道維持案と鉄道を廃止してバスや乗合タクシーに転換する案の二つを軸に協議を進める考えを示した。

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