福岡市交通局は7月1日、七隈線に新型車両「3000A系電車」を導入すると発表した。同線の博多駅への延伸に先立ち、車両を増やす。形式名の「A」は「Advance」の頭文字を取った。
交通局が公表したイメージ図によると、先頭部の下部から側面の上部にかけ「西南部地域の山々の稜線」をイメージした七隈線のラインカラー・グリーンを入れる。側面の窓周りは「七隈線が延伸により『空の玄関口』福岡空港へとつながるイメージ(福岡市地下鉄3路線のネットワーク化の象徴)」などを表現するため、スカイブルーでデザインする。
車内も「博多駅への延伸をイメージできるインテリア」とし、博多織の五色献上色(紫・青・赤・黄・紺)をイメージしたデザインに。「櫛田の銀杏」で有名なイチョウの木をイメージした明るい木目柄で装飾する。
座席は編成両端の先頭車のみドア間の座席を7人掛けから5人掛けに短縮し、出入口ドア付近のスペースを拡大する。交通局はこれにより「スムーズな乗降と車両内での流動性向上を図り、お客様の車両内での分散乗車や密の緩和を促進」するとしている。
また、立ち座りしやすいシートを中間車の優先席の一部に導入。優先スペースをすべての車両に設置し、車椅子やベビーカー仕様車が利用しやすいよう2段手すりを設ける。このほか、つり手の増設や形状の変更、ドア開閉動作ランプの設置、液晶式車内案内表示器の設置を行う。
3000A系は16両(4両編成4本)が導入される計画で、まず2本が9月下旬~10月上旬に車両基地に搬入される予定。本年度2021年度の冬頃から運用される予定だ。残り2本は2022年度の搬入・運用開始を予定している。
七隈線は2005年、橋本~天神南間12.0kmが開業。天神南~博多間1.6kmの延伸区間が工事中で、博多駅では福岡空港に乗り入れている空港線との連絡も図られる。着工当初は2020年度の開業を予定していたが、2016年に発生した博多駅前の道路陥没事故の影響で工事が遅れ、現在は2022年度の開業を予定している。
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