東京メトロは12月9日、丸ノ内線で無線式列車制御(CBTC)システムの使用を開始したと発表した。12月7日から池袋~荻窪24.2kmと中野坂上~方南町3.2kmの全線で使用している。同社によると、CBTCの導入は日本の地下鉄では初めてという。

丸ノ内線の従来型の信号保安システムは、線路に電気を流すことで列車の位置を検知する軌道回路と、線路を複数の区間に細かく区切って1区間に1列車しか進入させない固定閉塞、そして自動列車制御装置(ATC)を使用していた。これに対し、新たに導入したCBTCは無線通信技術を利用する移動閉塞の信号保安システム。地上装置が先行列車の位置などから後続列車の走行可能な位置を算出する。その情報を無線で後続列車に伝え、後続列車は走行可能な速度を計算して運行を制御する。



東京メトロは2013年度からCBTCの開発に取り組んでいた。同社によると、従来型の信号保安システムに比べて列車間の間隔を短くすることができ、高い遅延回復効果が得られる。軌道回路に起因する輸送障害の減少など、運行の安定性の向上が見込まれるという。
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