東京メトロは3月24日、丸ノ内線への「自動運転」の導入を目指すと発表した。4月から準備を進め、2025年度から同線で実証試験を行う。
丸ノ内線は10年を越えるワンマン運転の実績があり、2024年度には無線式列車制御システム(CBTC)が導入される予定。一部を除き地下トンネルで踏切がなく、他線との直通運転もないことから自動運転を導入しやすい環境が整っている。まず今年2023年4月から試験に用いる車両の仕様を検討し、自動列車運転装置(ATO)の高機能化にも取り組む。2025年度から営業運転の終了後に実証試験を行う予定だ。
東京メトロが導入を目指すのは、自動化レベル「GoA2.5」の自動運転になる。システム上は運転士が乗務しないタイプの自動運転に近いが、列車の先頭部に運転士ではない係員が乗務。異常発生時の緊急停止など限定的な操作のみ係員が手動で行う「ほぼ自動運転」だ。東京メトロは先頭車両に車掌が乗務することを想定。車掌は通常の業務に加え緊急停止処置や駅間での急病人の発生など緊急事態に対応する。
東京メトロによると、少子高齢化や働き方改革など社会環境が変化するなか、事業の継続と安全・安心な輸送サービスを提供していくためには輸送システムの変革が必要。南北線の開業(1991年)以来、改良を積み重ねてきた自動運転技術とワンマン運転の運行管理ノウハウに加え、2013年度から開発に着手したCBTCの技術を生かし、GoA2.5による自動運転を目指すという。
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