芸備線で脱線事故、東城~備後落合の運休続く 山間部の過疎区間、存廃問題も浮上



JR西日本は3月23日に芸備線・備後八幡~内名(広島県)で発生した脱線事故を受け、同区間を含む東城~備後落合の運転を見合わせている。同社は当面のあいだ終日運休するとしており、再開時期のめどは示していない。

芸備線の備後落合駅。【画像:アクセルF/写真AC】

3月23日の19時半頃、下り列車(1両)が落石と接触し、一部の車輪が脱線した。乗客は乗っておらず、運転士もけがはなかった。翌3月24日、運輸安全委員会の調査官が現地入りして調査を開始した。3月26日11時時点の運行情報によると、新見~備後落合の上下各3本が東城~備後落合で運休。同区間で代行輸送を実施している。

芸備線は岡山県新見市と広島市を結ぶ全長159.1kmの路線。このうち中国山地の過疎地を通る東城~備後落合25.8kmは利用者が極端に少なく、2021年度の輸送密度は13人だった。JR西日本と沿線自治体は芸備線の今後についての議論を続けているが、JR西日本が路線の存廃も含めた検討を行いたいとしているのに対し、沿線自治体は存廃の議論には応じないという立場を取っている。

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