台湾・阿里山森林鉄路の本線「全線再開」2024年7月6日に 15年ぶり



台湾の林業自然保育署は6月20日、水害で一部運休している阿里山林業鉄路(旧・阿里山森林鉄路)の本線について、7月6日に全線再開すると発表した。翌7月7日からは嘉義~十字路・阿里山で毎日運行の定期列車を上下計4本運行する。

阿里山森林鉄路の列車。【画像:anne97/写真AC】

7月7日から運行される定期列車の時刻は次の通り。

嘉義9時00分→十字路12時00分
嘉義10時00分→阿里山14時56分
阿里山11時50分→嘉義15時45分
十字路14時00分→嘉義16時55分

阿里山森林鉄路は日本支配時代の1912年に開業。阿里山エリアの森林資源輸送のため建設された。本線の嘉義~阿里山は距離が約71kmなのに対し高低差が約2200mと大きく、勾配を緩和するための3重ループ線に加えスイッチバックも設けているのが特徴だ。現在は阿里山への観光輸送が中心になっている。

2009年の台風の影響により約400カ所で被災。2015年には全線復旧の計画だったが、この年に再び台風で被災して延期された。このため本線は十字路~神木で運休が続いていた。トンネルが崩落するなど甚大な被害が発生し、新しいトンネルを建設しなおすなど復旧工事は大規模なものになった。

本線の全線再開はこれまで今年2024年7月1日を予定していたが、6月13・14日に交通部(運輸省)鉄道局が実施した検査で不備が見つかり、修繕のため繰り下げた。全線の運行は15年ぶりになる。

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