軌道検測車「マヤ34形」展示のみ→初の車内公開 イベント緊急企画、新車両に交代へ



JR九州は10月30日、車両基地の直方車両センター(福岡県直方市)で11月5日に開催する一般公開イベント「福北ゆたか線フェスタ2023」で、高速軌道検測車「マヤ34形」の車両見学を「緊急企画」として実施すると発表した。マヤ34形の車内を見学できる。

唐津線で軌道検測を行うマヤ34 2009(中央)。【画像:ninochan555/写真AC】

「福北ゆたか線フェスタ2023」内の入口で先着100人に整理券を配布する。見学代金は5000円。これとは別に4歳以上の人は福北ゆたか線フェスタの入場料(100円)がかかる。係員による説明はないが写真撮影は可能。車両内の機器は起動しない。見学時間は15分。

「福北ゆたか線フェスタ2023」は11月5日の9時30分~16時(最終入場は15時30分)に開催。マヤ34形とDE10形ディーゼル機関車の展示のほか、検修庫見学、高所作業車体験、運転シミュレーター体験、鉄道部品の販売・オークションなどが行われる。JR九州は当初、マヤ34形は展示のみの計画で車内には入れないとしていた。同社によると、マヤ34形の車内を見学できるのは史上初という。

現役のマヤ34形としては唯一残るJR九州のマヤ34 2009。【画像:JR九州】

マヤ34形は国鉄時代の1959年から1981年にかけ10両が製造された事業用客車。線路の状態を走りながらチェックするための装置が搭載されている。電車や気動車と異なり動力装置は搭載しておらず、機関車に牽引されて走る。1959年に製造された1両(マヤ34 2501)を除く9両がJR旅客6社に引き継がれたが、老朽化に伴う新型の検測車の導入により8両が2018年までに引退。現役の車両はJR九州の1両(マヤ34 2009)だけになった。

JR九州は2020年7月豪雨で水没被害にあった車両を改造した新しい多機能検測車「BIG EYE」を開発。今年2023年11月から試験走行が始まる予定だ。試験結果を踏まえた検討を経て実際の導入が決まれば、マヤ34 2009は引退するとみられる。

JR九州の多機能検測車「BIG EYE」のイメージ。【画像:JR九州】

同社は「福北ゆたか線フェスタ2023」でのマヤ34形の車両見学について、「車両が代わる前にぜひマヤ34形の車内を見学してみませんか」と呼びかけている。

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