JR宮島フェリー「ICOCA」訪問税を機に導入 JR線との連絡乗車券は終了



JR西日本宮島フェリーとJR西日本は8月30日、広島県廿日市市内の宮島口と厳島(宮島)を結ぶJR宮島フェリーにICカード「ICOCA」を導入すると発表した。ICOCA定期券の発売や改札方式の変更なども行う。宮島訪問税の徴収開始を契機に実施するもの。

JR西日本宮島フェリーが運航する宮島連絡船。【画像:丸岡ジョー/写真AC】

まず9月13日、宮島口のフェリー乗り場でICOCAシステムを導入した自動改札機の使用を開始。現在は宮島口から宮島へ渡る際の下船時に改札を実施しているが、9月13日からは宮島口の乗船前に実施する方式に代わる。

ICOCA定期券も9月13日に発売開始。JR線との連絡定期券やフェリーのみの定期券を購入できる。JR線との連絡定期券の発売範囲は、9月13日から30日までは宮島口駅から100km以内のICOCAエリアの駅になる。

宮島訪問税の徴収は10月1日に開始。ICOCAで支払う場合は自動改札機で乗船料と訪問税が自動で引き去られる。連絡定期券は「利用状況を鑑みて」(JR西日本)発売範囲が縮小され、山陽本線・三原~徳山と可部線の全線、呉線・海田市~広、芸備線・広島~狩留家の各駅と宮島の相互間になる。

JR西日本のスマホアプリ「WESTER」のポイントサービスも10月1日の初便から始まる。ICOCAのチャージ残額でJR線からJR宮島フェリーに乗り継いだ場合、スマホアプリ「WESTER」のポイント(チャージ専用)がポイントバックされる。このサービスを利用する場合は利用登録が必要だ。

JR線とJR宮島フェリーの連絡乗車券は、9月30日限りで発売を終了。10月1日以降は連絡定期券のみの発売になる。9月30日までに購入した連絡乗車券は訪問税が含まれていないため、10月1日以降にJR宮島フェリーを利用する場合は乗船前に訪問税を支払う必要がある。「青春18きっぷ」や「秋の乗り放題パス」などJR宮島フェリーを利用できるJR線の企画切符なども、10月1日以降は訪問税を別途支払う必要がある。

宮島訪問税は船舶で宮島を訪問する人を対象に徴収する法定外普通税。税額は一人1回100円で、船舶の事業者が運賃に上乗せする形で徴収する。1年分を一括納付する年払い制度(500円)もある。宮島の住民や宮島への通勤通学者、未就学児、障害者、修学旅行生などは対象外だ。税収はトイレや休憩スペースの維持管理など宮島の観光地域づくりに充てられる。

JR宮島フェリーは10月1日から運賃を20円値上げして200円にする予定。宮島口から宮島に入る場合は運賃と訪問税の合計300円を支払う必要がある。広島電鉄系の宮島松大汽船の運賃も同日から20円値上げして200円にする予定で、これに訪問税の100円が上乗せされる。

《関連記事》
JR宮島連絡船「値上げ」39年ぶり、国鉄分割民営化後では初 各運賃の概要
下関総合車両所「クモハ42001」外観補修 最後の旧型国電、撮影会イベントで公開へ