特急「有明」残り1カ月「準常備券」などセットの記念切符、「思い出」コンテストも



JR九州は2月12日、特急「有明」の運転終了に伴い、記念企画を実施すると発表した。まず記念切符の発売や「思い出コンテスト」を行う。

485系特急型電車で運転されていた頃の「有明」。写真は1982~1985年頃とみられる。【画像:JR九州】

記念切符は昔懐かしい硬券タイプの入場券・乗車券・特急券の3種類をセットにして郵送販売する。発売額は1セット5500円。購入は現金書留で返信先(住所・氏名・電話番号)記入と代金を封入し、「JR九州熊本支社さよなら特急『有明』号事務局」(〒860-0047熊本市西区春日3-15-43)に送付する。締切は3月12日(消印有効)。

入場券は特急「有明」の定期列車の始発や終着になった、門司港・小倉・吉塚・博多・大牟田・長洲・熊本・八代・西鹿児島(現在の鹿児島中央)・水前寺・武蔵塚・光の森・肥後大津の各駅で、様式はB型硬券。ほかに水俣駅も「有明」の始発・終着駅だったが、在来線の同駅は肥薩おれんじ鉄道に継承されたためセットには含まれない。

乗車券はD型硬券。熊本から上熊本・玉名・長洲・荒尾・大牟田・瀬高・羽犬塚・久留米・鳥栖・二日市・博多の各駅が上から下へ順番に記載されており、下の駅を切り落とすことで熊本→博多間の途中駅までの乗車券も発売できる「準常備式片道乗車券」の様式になっている。特急券はA型硬券で熊本→水前寺間の自由席特急券だ。

記念切符のイメージ。【画像:JR九州】
台紙のイメージ。【画像:JR九州】

「思い出コンテスト」は2月13日から3月31日まで、「有明」の写真や「有明」にまつわるエピソードを募集するもの。作品は専用ウェブサイトで掲載するほか、くまもと森都心プラザで実施する展示会で展示(2月28日エントリー分まで)する。また、応募作品のなかから各部門の優秀賞を一般投票(4月5~30日)で選出し、ヘッドマークプレート(皿)をプレゼントする。

「有明」は1951年、前年から運転開始した門司港~熊本間の準急列車の列車名として使用開始。名前は鹿児島本線・大牟田付近の西側にある有明海にちなんでいる。のちの運行区間の変更などを経て、1965年から岡山~熊本間の急行列車、1967年10月からは門司港~西鹿児島(現在の鹿児島中央)間を結ぶ特急列車になった。1975年の山陽新幹線全線開業後は、おもに博多~西鹿児島間を結ぶ特急として定着した。

気動車特急時代の「有明」。【画像:JR九州】
現在の「有明」。【画像:JR九州】

しかし、1992年の「つばめ」運転開始と2004年の九州新幹線・新八代~鹿児島中央間の開業、2011年の九州新幹線全線開業により、運転区間の短縮と運転本数の減便が続き、2018年以降は平日上りの1本(大牟田→博多)だけに。これも今年2021年3月13日のダイヤ改正で廃止されることが決まり、1カ月後の3月12日限りで運転を終了する予定だ。